サーキットの狼に登場したスーパーカー3台を紹介
昭和50年に発刊された漫画「サーキットの狼」をきっかけに、一大ブームへと発展していったスーパーカー。1977年に東京晴海で行われた日本初のスーパーカーショーには45万人を超える来場者を記録した。歯磨き粉や歯ブラシのパッケージに招待券が貼られていた記憶がないだろうか? 当時少年達の心を引きつけた懐かしいスーパーカー3台を紹介しよう。
〈ランボルギーニ・イオタSVR〉
スーパーカーの中でも謎に包まれたクルマ、ランボルギーニ・イオタSVR。当時は、世界に数台しかないという「自動車好きあるある」で盛り上がったクルマだ。サーキットの狼で「潮来のオックス」という人物が操っていた。
このイオタSVRは、1977年に後楽園球場で行われた「ザ・スーパーカー・ジャンボ・フェスティバル」に展示され、現在でも日本に存在する。ベースのランボルギーニ・ミウラは、リヤに搭載した3929cc・V型12気筒DOHCエンジンから385馬力/40.7kg-mを発揮した。イオタSVRは、同じエンジンながら410馬力にパワーアップし、最高速度も310Km/h と言われていた。
〈ロータス・ヨーロッパSP〉
漫画「サーキットの狼」では欠かせない1台で、主人公「風吹裕矢」が乗っていたクルマ。実際に描いていたい池沢さとしさんも乗っていたというのは有名な話である。全高1m7cmと小学1年生の慎重と同じぐらいの低い全高、そしてボディの小ささが印象的だ。
じつはロータス・ヨーロッパ、決してパワフルなエンジンではない。1588cc・直列4気筒DOHCエンジンからは126馬力を発揮した。漫画の中ではポルシェ911RSと公道レースで闘うシーンもあった。描写のなかではコーナリング性能が素晴らしいとされ、実際に、コーナーリングスピードは当時のクルマのなかでも抜きんでいていた。現在も当時とあまり変わらない300万円ほどで購入することが出来る。
〈フェラーリ・ディノ レーシング・スペシャル〉
漫画の中だけで登場した「フェラーリ ディノ レーシング・スペシャル」こと通称ヤタベRSと呼ばれたマシン。実は、5年以上の歳月をかけて1台だけ日本でイチから製作されたという。当時の少年達は、一生懸命プラモデルを作っていたのではないだろうか。
細かなスペックなどは公開されておらず、毎年5月5日(こどもの日)に行われる筑波オールドナウに展示されていたり、茨城県にある「サーキットの狼ミュージアム」で見ることが出来る。
ブームに魅了されたスーパーカーは、今でも注目の的。いつの時代も、少年の心をときめかす思い出となった。