クリオR.SはSP3クラスの半数を占める人気車種
今年、SP3クラスは全部で10台出走しており、じつにそのうちの半分、5台がクリオR.S.なのだ。
「ヨーロッパではクリオR.S.カップというワンメイクレースが行われています。こちらはメーカーの考え方が進んでいて、ロールケージやシーケンシャルミッションなどがあらかじめ装着された状態で販売されているんです。今回私達のクリオR.S.も、カップカーをベースとしたレーシングカーです」と語るのは、ゼッケン118のクリオR.S.をドライブする梅本淳一さん。日本では有名チューニングショップ「J’S RACING」の代表取締役会長を務めている。
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「地元のロードランナーレーシングというチームと一緒に参戦させていただいています。このチーム自体はニュルブルクリンク24時間レースには15年ほど参戦しているようです。私達がこのチームと一緒に走り始めてもう4年になるでしょうか」
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梅本さんにとってクリオR.S.の魅力とは何だろうか。
「私達もいろいろなレースをしているのですが、このSP3クラスはエンジンが2リッターで、体を一番動かさないといけないんです。クリオR.S.をドライブすることに達成感があるんです」
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とはいうものの、カップカーそのままの状態でこの過酷なレースに出場するのは難しいようだ。梅本さん達のクリオR.S.はドライブシャフトを強化したり、サスペンションのストロークを上げるなどニュル24時間対策を施している。
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今回、日本人は梅本さんのほかに、奥村浩一さん、浜野彰彦さんの3人でドライブした。いずれもスーパー耐久レース参戦経験がある、熟練ドライバーである。
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予選は総合155台中126番グリッドとふるわなかったが「長いレースなので淡々と走って、ゴールしたらいいところにいるようにしたいです」とは梅本氏。決勝は、強敵のマンタがマシントラブルで早々に戦線離脱したものの、ゼッケン123「Toyota Team Thailand」のトヨタ・カローラアルティスを追走する形に。カロータアルティスは日本の3Sエンジンを搭載した本格マシンだったが、諸々のマイナートラブルに見舞われじりじりと後退。クリオR.Sはそのままトップを走りきり、見事SP3クラス優勝(総合63位)を達成した。
続いてはメガーヌR.S.にスポットを当てる