知っていて損はない最新テクノロジー用語も
自動車のカタログや記事を読んでいると、似たようなアルファベット3文字の専門用語に出くわすことは少なくない。最新テクノロジーに関して見かけることの多い「H」ではじまるアルファベット3文字の専門用語と、昔から使われている「L」ではじまる3つの専門用語をピックアップしてみた。これらの専門用語、ひと目で何の省略なのかわかるだろうか。
【Hではじまる3つの専門用語】
HEV(ハイブリッド・エレクトリック・ビークル)
いわゆるハイブリッドカーの略称といえるが、ハイブリッドカーの中でもエンジンと電気モーターによって駆動しているタイプをHEVと分類する。ちなみに、電気モーターを使わないハイブリッドカーとしては、エンジンと圧縮空気によるものなどが提案されている。
HMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)
自動車に限った用語というわけではないが、クルマの場合はコクピット周りのメーターやディスプレイといった情報伝達系システムの総称として使われることが多い。本来の意味ではステアリングやペダルなどの入力系もHMIに含まれる。また、情報表示と操作系を合わせてUI(ユーザーインターフェース)と呼ぶこともある。
HUD(ヘッド・アップ・ディスプレイ)
主にインパネ上やフロントウインドウなどに置かれた透過型ディスプレイにスピードやカーナビのルート案内といった情報を表示する機能を指す。視線移動を減らすことで安全運転につなげるというのが狙い。HMIに関わるデバイスのひとつとしてHUDが期待されているため、セットで見かけることも少なくない。
【Lではじまる3つの専門用語】
LHM(フランス語でLiquide Hydraulique Mineral 鉱物系作動油の意味)
かつてシトロエンが採用していた「ハイドロニューマチック」システムに使われていた鉱物系の作動油。独特の緑に着色されていた。オーナー以外には馴染みは少ないだろうが、ハイドロニューマチック独特の乗り心地を実現すると同時に、『LHM漏れ』で検索すると多数の事例が出てくるように持病の象徴にもなっている。
LLC(ロング・ライフ・クーラント)
水冷エンジンを冷却するための液体で、エンジン内部やラジエター内に満たされている。名前の通り長期間使えるよう、かつ寒冷地でも凍りづらい不凍液を意味する。水で薄めるものが多いが、そのまま使用するタイプもある。人体に有害なので、飲んでしまうことはもちろん、下水に流してしまうこともNGだ。
LSD(リミテッド・スリップ・ディファレンシャル)
いわゆるオープンデフと呼ばれるスタンダードなディファレンシャル(差動装置)は旋回時に内輪と外輪の回転差に合わせて駆動トルクを振り分けるものだが、片側が空転してしまうと、もう一方に駆動が伝わらずに前へ進めないという問題が生じる。それを防ぐのがLSD(差動制限装置)の役割。シリコンオイルの粘性を利用したビスカス式、多板クラッチを使った機械式などがある。最近では左右のブレーキを独立させて効かせることでLSD効果を発揮させているケースも増えている。