実際に試してもとくに悪影響は確認できず
これは耳にしたことも多いだろう。タイヤのツヤを出したり、保護するために塗るタイヤワックスが、じつはタイヤの劣化を早めるという話しだ。修理工場のオヤジやウンチク好きのクルマ好き仲間から聞いたりする。
そもそもタイヤワックスを塗ると、見た目的にも「いかにもデリケートなタイヤのゴムを守っています感」に溢れる。洗車の仕上げとして気分もいいというのに、それが劣化するとはどういうことか……。大いになる矛盾にあふれる内容だけに、昔から言い伝えられていて、都市伝説的なものだったりもする。
まず劣化の根拠はというと、タイヤにはそもそも紫外線などからゴムを守る劣化防止剤が入っているのだが、塗られたタイヤワックスによって溶けだしてしまうということだ。もっともらしいし、じつは以前、某タイヤメーカーの質問コーナーに書いてあったりもした。油分を含んだものに油分を塗ると、油分が溶け出す。化粧落としのクレンジングのような効果だろうか。
じつは実際にもそうなるとされている。ただし、今まで幾多の洗車テクを試してきた身からすると、それほど気にしなくてもいいレベルだと思う。とりあえず、塗ってしばらくしたら表面にヒビが出てきたということはなかった。
現在、タイヤワックス自体にも紫外線防止剤が配合されているものが多いし、そもそもケミカルメーカーだって耐久&耐候テストをチャンとやったうえで製品化している。それでも気になるなら水性タイプもあるので、これならタイヤに含まれる油分も流れ出すことはない。
気になってなにもしないよりも、タイヤ表面の汚れを落として、ワックスはかけたほうがいいし、たわみが増えてヒビの発生となる空気不足なども定期的に見たほうがいいだろう。タイヤが劣化する原因はたくさんあるので、それを排除してやるほうが、所定の性能をできるだけ長く発揮させるという点では有効だろう。