注目のCH-Rはクラス3位で完走
今年のニュルブルクリンク24時間レース(通称:ニュル24時間)。29日の現地時間15時30分にチェッカーフラッグが振り下ろされた。Toyota Gazoo Racing(以下ガズーレーシング)の長い戦いも終焉を迎えた。
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今年はレクサスRC(SP3T)、同RC F(SP-PRO)、トヨタC-HRレーシング(SP2Tクラス)をエントリー。RC Fは決勝前にデフ交換を行うなど重整備をしており耐久性が心配されていたが、いざフタを開けてみれば大過なく完走(総合24位、SP-PROクラス優勝)。途中ドライブシャフトとリヤハブを交換したが、TOM’sの熟練メカニックのおかげで20分ほどで作業完了。ピットを後にしていた。
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C-HRレーシングはレース序盤の雹(ひょう)もうまくスルーし、淡々と周回を重ねた。だが残りあと5時間というところでアデナウ付近でガス欠。レッカー移動でピットに戻ってくるトラブルに見舞われた。その後は快調に周回を重ねSP2Tクラス3位(総合83位)でレースを終えることができた。
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トラブルに泣いたのはRCだ。ミッショントラブルで約12時間ピット作業を行い、レースに復帰したものの残り1時間というところで再度ピットイン。
「豊田章男社長が最後にRCで出走する」という噂が関係筋から流れ、実際に章男社長がピットに現れた。ところがメカニックの奮闘むなしく、RCは再び走り出すことはなく、痛恨のリタイヤとなった。
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レース後の囲み取材で章男社長はRCに関して「ニュルらしさがすごく出た24時間でした。天候も変わり、クルマも停まり。何時間もミッション載せ替えまでするような修理をみんなしてくれたり。それぞれのひとにとってのニュルがあると思います。C-HRレーシングのチームでは、ここまで一緒にやってきた仲間がひとりケガで一緒に戦うことができませんでした。彼は泣いてくると思います。僕もここで涙を流しましたが、涙というのは、それぞれが一生懸命やった結果なんです」。
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そう語る章男社長は、レース後の記念撮影で欠席したメカニックのヘルメットを被り、写真に納まっていた。
※リザルトは暫定