【2016年ニュル24時間決勝③】レクサスRCにミッショントラブル発生も12時間をかけて復活

メカニックの献身的な作業でチェッカーを目指すレクサスRC

 現地時間の深夜12時頃、TOYOTA Gazoo RacingのレクサスRCはミッショントラブルのため緊急ピットイン。10時間あまりが経過したが、未だレースに復帰できていない。RCといえば予選走行で「モリゾウ」こと豊田章男社長もドライブしたマシン。一体何が起こったのか?

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ゼッケン188のレクサスRC(ドライバーは木下隆之選手、蒲生尚弥選手、松井孝充選手)に異変が起きたのはレース開始直後の赤旗中断時だった。突発的な雹(ひょう)により、5km地点のArembergでコースアウトが続出。レクサスRCはクラッシュこそしなかったものの、赤旗中断の待機時に「ミッションが入ったり入らなかったりする」トラブルに見舞われた(RCは市販と同じオートマチックトランスミッションを搭載している)。

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 そのときは調子を取り戻したが、現地時間の深夜12時頃蒲生選手がドライブしている際、ミッショントラブルが再発。蒲生選手の判断でピットインし、原因究明に乗り出した。原因はコントロールユニットなのか? それともトランスミッションそのものなのか? ATF交換などさまざまな対策を講じたが、症状は好転せず、トランスミッション交換に踏み切った。

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 現地時間8時頃、ピットに顔を出したモリゾウこと豊田章男社長は次のように語った。
「(RCが)壊れたということはドライバーには申し訳ないけれど、今どの部分が駄目なのか、原因をはっきりさせたほうがいいです。以前はトラブルが出ればひとりのベテランに聞いて直していたものですが、現在開発現場は仕事が細分化しており、そういうわけにはいきません。今こそメカニック一丸となって『なんとか直そうや』となってくれればいいと思うし、実際に少しそうなってきています。肩書きよりも実力、経験が先に立つ世界です」

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 トランスミッションの載せ替えが終わり、エンジンのウォームアップが始まったのは現地時間で昼の12時近くになってからだ。RC担当メカニックたちは約半日トラブル対策に追われていたことになる。だが、徹夜で作業したメカニックたちはまだまだやる気十分! レース終了まであと3時間。ドライバーもマシンも、そしてメカニックもラストスパートをかける!

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 そしてなんと、最終ドライバーにはモリゾウこと、トヨタ自動車の豊田章男社長が乗る可能性もあるという。ニュル24時間は最後の最後まで目が離せない!


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