さまざまな局面で恩恵のある軽自動車に軍配が上がる
⑤初回車検代 表3参照
キャスト 2万6370円 ブーン3万7840円
軽乗用車とリッターカーで車検時の整備費用に大きな差はないと考え、ここでは車検継続時に掛かる大きな法定費用である重量税と自賠責保険のみで計算。自賠責保険は大きな差はないが、購入時の重量税が免税になるキャストは初回継続車検時の重量税も免税となり、ブーンに対し初回車検の費用でも若干のアドバンテージを持つ。
⑥5年後の査定
キャスト 40万円 ブーン 35万円
5年、5万km乗った時点の査定は車両価格はブーンの方が高いにもかかわらず、一時期ほどではないにせよ軽自動車という依然人気のカテゴリーに属するキャストは強い。
⑦収支決算 ※表4参照
それぞれの5年間の出費(イニシャルコスト、ガソリン代、自動車税、任意保険代、初回車検代)の合計から5年後の査定を差し引いた収支決算はキャスト約145万円、ブーン約180万5000円、約35万5000円という大きな差が付いた。
さらに今回は計算に入れなかったが、軽自動車には高速料金の安さという強みもある。長い目で見るとこれだけの差額があることを踏まえると、キャストであればスタイルと最低地上高が高いグレード、「アクティバ」に設定されるターボ車(FF車で151万7400円)を買っても、長期的にみれば132万3000円と車両価格の安いブーンに対して出費は少ないと予測でき、リッターカーのライバルは軽のターボ車と考えた方がいいだろう。
しかし、軽自動車の中では格の高いターボ車とブーンのようなリッターカーを比べると、リッターカーには「白いナンバープレートが付く登録車の底辺」という印象が否めず、軽自動車の性能がリッターカーに肉薄している現代においては、安上がりな軽自動車ではなくリッターカーを買う理由は見出しにくい。
リッターカーを買うのであればもう15万円くらい予算を工面して、車両本体価格140万円台のスイフト、デミオ、フィットといった1.3ℓ級エンジンを積むコンパクトカーを考えた方が、出費は多くとも出費に見合った機能、満足を得られるのではないだろうか。