コース上で停止したマシンに後続が高速で激突
事故なしのレースはあり得ない、と言い切れるぐらい、モータースポーツは危険を伴う。もちろん全体で見れば事故の規模は軽微なものが多く、また近代のレーシングマシンは安全性が高まっているので、ドライバー生命に危険が及ぶことは少ない。しかし今回F3ヨーロッパ選手権でラウンド4(レッドブルリンク)のレース1で起きたレースは、背筋が凍るようなものだった。
まずライアン・トゥベター選手(カーリン)がスピンによりコースアウトし、砂埃を伴ってコース上に戻り停止。後続はその砂埃を避けて走行するが、カーリンのチームメイト、黎智聰が砂埃に突っ込み、トゥベター選手のマシンに激突する。黎選手のマシンは大きく宙を舞う大クラッシュとなった。
幸いにも黎選手は頸椎と踵を骨折したものの、踵の手術だけで済み、トゥベター選手は膝の打撲という診断である。
事故の模様はF3ヨーロッパ選手権が公開する動画で見ることができ、そこから判断する限りこの結果で済んだのは本当に幸運だと思える。現代のマシンがもつ安全性の高さが改めて理解できると共に、モータースポーツのエンターテイメント性と安全性の両立がいかに難しいかが再認識させられる事故だった。
※画像出典:youtube
※クラッシュシーンは35分35秒あたり