クルマの文化を感じられるクラシックカーファン感涙のイベント
2016年で6回目を迎えた千葉県佐倉市にある「佐倉草ぶえの丘」で行われたクラシックカーイベント、「サクラ・オートヒストリーフォーラム」は約100台の展示車両と3000人の来場者を集めた。「自動車の歴史を感じられる、文化を残していきたい」という思いから佐倉市が後援しているイベントだ。
多くの人たちに愛車を見てもらい「自動車の歴史を感じてほしい」という声のもとで始まった「サクラ・オートヒストリーフォーラム」。基本参加資格は30年以降経ったクルマだ。
バラ園で有名な「佐倉草ぶえの丘」を見に来た”ついで”にクラシックカーを見られるというのが、本当の文化を伝えるという意味、と主催者は語ってくれた。
会場では車両展示のほか、主催者が選定した10台の車両がパレードを行った。さらに、ケーブルネットの服部恵美さんと自動車生活ライターの飯田裕子さんがパレードに参加したクルマの説明などを行った。
文化を伝えるのは難しいものだが「継承」という意味で、本田技研開研究所元主席研究員の杉山智之さんによる初代ホンダ・プレリュードの開発秘話の講演も実施。また、サクラモータークラブ副会長の坂田さんと、寺本さん、杉山さん、そして自動車生活ライターの飯田裕子さんによるディスカッションも行われた。
サクラ・モータークラブでは2016年12月3日(土)にクラシックカーで佐倉市内をパレードするイベントも行うという。
●会場で見かけた気になるクルマ
スバル360を現在3台お持ちのH.Kさん。最初に買ったスバル360は免許を取得する前から購入されていたという。
今回展示した1958年の初期型のスバル360は、もともと部品を取るためにバラバラにされていた360を約10年前にもらったものだという。もし自分がいなくなった場合、誰も組み立てられなくなってしまうのを防ぐために2015年から組み付けを始めたとのこと。
今回は組み付けて車検を取得して参加。譲り受けてから約10年、このクルマにとっては何十年ぶりかの公道復帰なのだ。「僕は同じ年式のクルマを持っているので、このクルマは欲しい方に譲るつもりです」と語ってくれた。
新車からトヨタ・カローラレビン(AE86)をお持ちのS.Hさん。2016年9月17日で30年目を迎えるハチロクのメーターには17万キロの距離が刻まれており、沢山の思い出が詰まっているという。
ハチロクに乗りつつほかのクルマも所有をしたようだが、体に合わなかったとのこと。「それらのクルマは、私にいろいろと教えてくれました。でも、私を育ててくれたハチロクは処分できませんでした」と語る。
エンジン以外、内装と外装はほぼオリジナルを保っているSさんのハチロクは、すごく幸せそうなオーラを出していた。
「クルマが喜ぶんです。いろんなに人に座っていただいて、クルマやハチロクに興味を持ってくれていることが幸せなんです」と、この先もSさんとハチロクの生活は続きそうだ。