マセラティの歴史の転換点
イタリアの現存する自動車メーカーではフィアットに続き2番目に古く、F1にも1950年から参加し9勝を挙げるなど、由緒あるプレミアム自動車メーカーのマセラティ。1914年の設立以来、刺激的なスーパーカーやGTカーを作り続けてきたマセラティが、創立100年以上を経て初めて手掛けた高級SUV「レヴァンテ(Levante)」が、2016年5月10日(火)に日本で正式に発表された。
2016年3月のジュネーブショーでお披露目されたのがマセラティ社初となる高級クロスオーバーSUVのマセラティ・レヴァンテだ。2010年にマセラティ ジャパン株式会社を設立以来、クアトロポルテ、ギブリ、グラントゥーリズモ、グランカブリオを次々に市場に投入。日本における高級車路線のユーザーをグイグイと引き寄せてきた同社が、満を持してレヴァンテで新たなユーザー層の獲得に向けて勝負に出る。
同社は「1世紀以上にわたりマセラティの全モデルの特徴となってきた情熱、洗練性、エクスクルーシブ性、そして卓越したパフォーマンスと快適性を高次元で実現したレヴァンテの登場によって、SUV市場に新風が吹き込まれることは間違いありません。既存モデルに加え、マセラティのモデルレンジをさらに充実させる理想的な一台であるレヴァンテの誕生は、マセラティの歴史の転換点でもあります」とこのモデルに賭ける抱負をアナウンスしている。
日本に導入されるレヴァンテは当初は2車種となり、標準モデルの「レヴァンテ」と「レヴァンテS」となる。どちらもパワーソースは3リッターのV型DOHC6気筒ツインターボのガソリンエンジンだが、標準の「レヴァンテ」が350馬力、0ー100km/h加速6秒、最高速度251km/hに対して、「レヴァンテS」は430馬力となっており、0ー100km/h加速も5.2秒、最高速も264km/hとよりハイパフォーマンス仕立てとなっている。
ディーゼルエンジンのモデルも用意されている。ただし、ディーゼルの発売は来春で価格は未定。ガソリンモデルの2車種は9月から発売だ。両車種とも8速ATを搭載しており、それを「Q4」といわれるインテリジェントAWDシステムにより的確に地面に伝える。
この高性能なパワーユニットを受け止めるシャシーは、前後重量配分が理想的な50対50の配置となっており、この種のライバル車両に比べても重心位置はもっとも低く設計されていると言う。もちろん走りの質の高さを裏付ける捩じれ剛性や曲げ剛性もマセラティの名に恥じない高いレベルに仕立てられている。
また、この高級SUVのレヴァンテには「スポーツ」と「ラグジュアリー」の2種類のパッケージが用意されている。
(写真:編集局 山本 亨)