この記事をまとめると
■自然災害に見舞われたときにはクルマが役に立つことがある
■なかでも災害に強いクルマ3台プラスαをセレクトした
■悪路でも走りやすい4WD+SUVであることが最低条件となっている
悪路でも移動しやすい4WDであることが大前提
地震・洪水・豪雪による停電など、避けられない自然災害の数々。実際に被災したとき、日頃からの災害対策が重要になる。今回は災害に強いクルマを編集部でセレクトした。もちろんクルマの選択は家族構成や趣味趣向なども大きく影響するが、参考に見てほしい。
●三菱アウトランダーPHEV
発電をメインに使う2Lガソリンエンジンと大容量12kWhの駆動バッテリーを積み、基本はモーターで走るアウトランダーPHEV。まず前後に2つのモーターを装備する4WD駆動なので当然雪道や砂地、泥濘地などに強い。
さらに車内に100V電源(グレードによってオプション)を装備でき、なんと1500Wまで使える。つまりドライヤーや電子レンジなども使用可能だ。
エアコンが電動な点も見逃せない。車中泊の際、エンジンを掛けなくてもバッテリーに充電してあれば、クリーンにエアコンを使えるので夏場の車中泊でも快適に過ごすことができる。
もうひとつ、重要なのがV2H(ヴィークル・トゥ・ホーム)機能だ。自宅にV2H機器が備えてあれば、アウトランダーPHEVを接続することで、住宅で使う電力をクルマから供給することができる。つまり、停電時でも普通に自宅の照明やエアコン、冷蔵庫などが使えるということ。
バッテリー満タンで一般家庭の約1日分の電力がまかなえ、さらにエンジンを掛けてバッテリーを充電するれば、ガソリン満タン状態なら約10日分の電力が得られる。ガソリンがレギュラー使用な点も嬉しい。
●スズキ・ジムニー
日本では軽自動車がメインとなるジムニー。軽自動車? などと思うかもしれないが、数ある4WDモデルのなかで、4駆の専門家も認めるほど、オフロード走行性能という意味では最強の存在だ。
本格派4WDが採用する頑強なラダーフレームに、前後3リンクリジッドサスペンションという組み合わせ。オートマ限定免許の人も安心の、4速オートマチックと5速マニュアルトランスミッションが選べる。
最低地上高は200mmと高く、フロントのアプローチアングル49°、リヤのデパーチャーアングル50°と、障害物を乗り越えるようなシーンでもバッチリ。
普通に街なかを走っていればただの「遅い軽自動車」かもしれないが、悪路にいけば「タイヤの回転ごとに確実に前に進む」感覚が得られる。軽自動車ならではの車両の軽さが悪路走破性に繋がっている。
また、災害時はがれきなどで道幅が狭まっていたり、迂回のために狭い道を通らなければならないことも多い。ジムニーの軽規格の小さいボディ、そして最小回転半径4.8mという取り回しの良さは、イザというとき便利に感じるはずだ。価格が129.6〜(万円・税込)という点も選択しやすいポイントになる。
インド陸軍の軍用車にジムニーが採用されていると聞けば、納得できるだろう。
※海外向けはエンジン排気量が異なる。