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黎明期の国産ラリーカーpart. 4(1980年代序盤)

黎明期の国産ラリーカーpart. 4(1980年代序盤)

サファリで本格的な海外進出を果たしたスバル

 トヨタが撤退したあとのWRCで、三菱のランサー・エボリューションを相手にインプレッサWRXで激しく覇権を争うことになるスバルは、80年代に入ってからサファリに参戦するようになった。スバルと言えばラリーでAWDを開発熟成していったイメージがあるが、それ以前にも、国内ではスバル1000の時代からラリー活動が盛んにおこなわれており、70年代には多数派のTE27系レビン/トレノに交じって孤高のFF車として活躍。またサザンクロスなどで海外遠征していたものの、のちのWRCプロジェクト、そしてワールドチャンピオンに繋がる、AWDのラリーマシンを擁するスバル・ワークスとしての海外ラリーへのチャレンジは、ここからだった。

1980/1983_Subaru Leone SwingBack 4輪駆動のパイオニアとしてサファリラリーにデビュー

 ラリーに初めて4輪駆動車を投入したのはアウディとされるのが一般的だ。それは1981年シーズンのこと。当時WRCの主役となっていたグループ4にアウディ・クワトロ、通称“Ur-クワトロ”を投入したからだが、じつはその前年、1980年のサファリラリーにスバル・レオーネのスイングバック4WDが出場している。

スポット参戦だったし、より改造範囲の狭いグループ1だったこともあってAWDの第一人者の座はアウディに譲った格好となったが、WRCデビューという意味ではスバルが先んじていたのも事実。さらに海外ラリーでの実戦デビューとなると77年のロンドン-シドニー・ラリーにレオーネ1600の4WDセダンが参戦しており、スバルが4輪駆動のラリーにおける先駆者であることには異論をはさむ余地はない。

4台勢揃いは80年のデビューイヤーの船積前。走行シーンは83年に総合5位/クラス優勝を果たした高岡/砂原組(ともに富士重工業広報部提供)。

1985 Subaru Leone 4WD RX 85年には新世代に移行。粘り強く参戦を続けて開花の時を待った

 1979年に登場した2代目によって、80年にサファリラリーにデビューを果たしたスバル・レオーネは、84年7月にフルモデルチェンジを受けて3代目に進化。翌85年のサファリには、この3代目をベースにしたラリーカーが登場している。

当初は6ライトの4ドアセダンのみがラインアップされており、当然ラリーにもこの4ドアセダン(クラスはグループ1からグループAに移行)で参戦している。何度もクラス優勝を飾った3代目レオーネだが、歴史的には4WDシステムの開発熟成を一層進めたこと。

そして88年にはスバル・テクニカ・インターナショナル(STI)が誕生し、翌89年にレガシーが誕生、レオーネ自身はのちにインプレッサへとバトンタッチする。そんな重要なポイントとなったモデルが3代目レオーネだった。写真は3代目としてサファリラリーにデビューを果たした1985年のレオーネ4WD RX 、4ドアセダンのグループA仕様(ともに富士重工業広報部提供)。

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