タイで作るのにはワケがある! 国沢光宏がヨコハマタイヤのタイ工場を突撃 (2/2ページ)

タイ人の職人は日本人に勝るとも劣らない技術を誇る

 トコロテンのように押し出された「部品」はベテランのワーカーによって組み付けられていく。この作業、少量生産のタイ工場はすべて手作り。組み立て時に誤差出ればタイヤのバランスを崩してしまう。タイの組み立て職人のレベルを聞いてみたら「日本に勝るとも劣らないです」。タイ人って確かに器用。しかも機械よりコストも低いという。

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 人件費の低さ、ヨコハマタイヤはさまざまな行程においてうまく活かしてます。タイヤの組み立てが終了した段階で(専門的にはグリーンタイヤと呼ぶ)、これまた熟練の職人さん(女性や、女性に見える男性が繊細で良い仕事をするそうな)1本づつ入念な検査を行い、その後、高温高圧を掛ける「加硫」と呼ばれる行程に入る。

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 グリーンタイヤはツルツルのスリックタイヤ状態で、トレッドパターンなど加硫時に付けられる。数十分の加硫によりコンパウンドの中に混ざっている硫黄などが化学変化して(生卵がゆで卵になるようなもの)弾力性と耐久性のある安定したゴムに生まれ変わるから興味深い。完成したタイヤを再度入念にチェック。合格すれば出荷。

 取材の最後にタイ工場の特徴を聞いてみた。コストの低さと思いきや、それだけじゃないという。「ゴムは温度管理が重要で、とくに日本の冬のように寒いと硬くなって扱い難くなります。1年中温暖なタイであれば温度管理が容易なので安定した製品になります」。もうひとつ。「天然ゴムなどの輸送コストという点でも有利です」。

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 総合して考えると、二酸化炭素の排出量など考えたなら、タイのような場所でタイヤを作るには合理的なのかもしれません。また、人件費が安いため生産行程に検査を2回入れることが可能。結果的に不具合率は驚くほど低くなるという。日本で生産するのと同じ品質のタイヤが日本よりコスト&エネルギー消費量少なく作れるのなら素晴らしいと思う


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