両モデルともに国内未導入のディーゼルモデル
毎年3月に開催されるジュネーブモーターショーの2日に渡るプレスデーが終了した翌日に、国内では販売されている車両だが欧州のみでリリースしている2台のディーゼルモデルに乗る機会を得た。
1台目は、国内では今年の2月に発売が始まったばかりのメルセデスベンツGLC。昨今、メルセデスベンツはSUVモデルのネーミングの整理を行なって、このGLCでも用いられているようにGLはSUVラインアップに与えられる記号で、最後のCはクラスを表す。つまりSUVのCクラスというのがGLCのパッケージになる。
ベースとなったCクラスからホイールベースを延長しているGLCは、後席のレッグスペースや広い荷室など、Cクラスファミリーの中でもっともユーティリティに優れたモデルとなっている。搭載されていたディーゼルエンジンは、直列4気筒2.1リッター。最高出力は204馬力で、最大トルクは500N・mというスペックとなる。
豊富なトルクは、ストップアンドゴーが多いスイスの街中でも有利で、2t近い車重のクルマをグイグイと加速させる。また、試乗したモデルはウインタータイヤを装着していたのだが、それでも高速域でのハンドリングや直進安定性は非常に高く、この安心感と安定感は誰でもステアリングを握れば感じられるレベルだ。
もう1台のモデルは欧州で「ホンダHR-V」と呼ばれ、国内ではヴェゼルとして販売されているコンパクトSUV。
このクラスは価格面からガソリンエンジンを搭載することが多いのだが、HR-Vはディーゼルエンジンを選択することができる。試乗したモデルには、欧州の排出ガス規制となるユーロ6に適合した1.6 i-DTECのディーゼルエンジンを搭載。国内には未導入だが1.6リッターディーゼルエンジンは、最高出力が120馬力/4000rpmで、最大トルクは300N・m/2000rpmというスペックを誇る。
ディーゼルエンジンの最大の利点である低速域の豊富なトルクにより、加速性能はパッセンジャーや荷物を載せていても十分すぎるほどだ。試乗したモデルに組み合わせられていたトランスミッションは6速マニュアルで、スポーティとはいえないが節度感のある操作性と高速でも低回転走行を可能としているギヤ比など、ディーゼルエンジンに合わせたセッティングが施されていた。
ステアリングを握っていて特筆すべきは、やはりドライバビリティに優れたエンジンとハンドリングだ。トルクフルなエンジンを搭載することで、ワンランク上の質感を実現していて、長距離を疲れず楽しく移動できると感じた。
両モデルともに国内未導入のディーゼルモデルだが、日本の規制にも合致しているので、ぜひ国内でステアリングを握れる日が訪れることを願いたい。
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