世界で展開するクルマを中国でワールドプレミアする驚き!
マツダは新型クロスオーバーカーとして、噂のCX-4を発表した。世界で初めての発表……いわゆるワールドプレミアである。その会場が、何と4月25日から始まった北京国際モーターショーのプレスデ―だったから驚く。いよいよ時代は「日本で初めて公開」なんて感覚はすでに過去のものとなったようだ。
しかも、そのニューモデルの製造はコラボレーションしている中国の一汽乗用車で行い、一汽マツダで販売する。
マツダにとって初めてのクルマ、しかも、これからワールドワイドに展開する新型を日本以外で製造を立ち上げ、そのまま現地で発表するのは、初めての試みだ。
「マツダは、今後も中国ブランド強化を図るため中国ツーリングカー選手権に参戦する「北京鋭思」(ペキンルイス)をサポートする」と中国で盛んになりつつあるレース活動にも熱心だ。マツダ6(アテンザ)のレースシーンのポスターがいたるところで見られるのは、そのせいだろう。
さてCX-4は、見るからにキレイなラインを持つスタイリッシュなSUVで、新型クロスオーバーカーと呼んでいる。日本でも大ヒットしてCX-3と共にマツダの快進撃を支えているCX-5のサイズに近いが、CX-5のフルモデルチェンジではなく、新車種の誕生だ。
「SUV需要が旺盛になったマツダのブランド成長を支える新商品」(稲本信秀取締役執行役員・中国事業統括)は、まだまだ成長する中国市場に期待を込めたコメントが開発陣からも聞かれた。
「鼓動デザインがべースですが、この開発には時間がかかっています。価値観が大きく変わって新しい感覚を支える中国の若者の考えをずいぶん調査しています反映しています。力強い踏ん張り感、クーペのような流麗なキャビンは、街の中で存在感がしっかりしているはずです」と、デザインを担当した小泉巌チーフデザイナーは、極めて嬉しそうに語る。
「新世代4WDを採用していますし、中国の荒れた舗装路や北京市内のように交通量がとんでもなく多い街中で運転しやすいような足回りやハンドリングに仕上げてあります」(岡野直樹・開発主査)
報道発表会に集まったプレスの数は極めて多かった。中国メディアも「世界初が中国で発表だ。素晴らしい」と興奮気味である。