乗り比べるとわかる軽より1段階上の走り!
正直最近の軽自動車は凄い。キャストに単体で乗ると、1リッタークラスのコンパクトと同等の走り、質感を持っていると感じていた。しかし! 乗り比べると明らかにブーン&パッソの質感が高い。とくに大きな段差、道路の継ぎ目を乗り越えたときに「ガツン」と衝撃が伝わるキャストに対し、ブーン&パッソは「ギュッ」とダンパーが受け止める感触だ。この質感の差は大きい。さらにブーン&パッソに乗ったときに感じたコーナーでの揺すられ感もキャストと比べると1段上。やはり軽自動車を得意とするダイハツが作る登録車なのだから、1クラス上に仕上げてきたのだと納得できた。
ただし、ブーン&パッソは少し荒れた一般道を走行しているときに、ポンポンと跳ねるような動きが気になった。タイヤの空気圧を規定以上に入れたときのような動きといえばわかりやすいだろう。ガソリンエンジン登録車燃費ナンバーワンを謳うブーン&パッソだけに、タイヤでも相当に低燃費化しているはずだ。低転がり抵抗のエコタイヤは、コンパウンド(タイヤ表面のゴム)が固く、さらにサイドウォールの縦バネが強く、空気圧も高めに設定されることが多い。空気圧を聞くと「2.5kgf/m2です」。一般的には2.2〜2.3のタイヤが多いのでやはり高め。その上縦バネが強いので跳ねる動きが出るのだろう。この点はキャストの方が良かった。
室内に目を向ければ、後席の膝前スペースが拡大している。一方で先代にあった「お座敷モード(ロングクッションモード)」がなくなり普通のリヤシートになった。ダイハツ側は「お座敷モードは先代のウリのひとつで、それを気に入って購入してくれたお客様も多かったのですが、実際に購入した後の使用頻度は低かったんです」という。それならば固定式の座面にして、座り心地を重視した方がユーザーのためになる、という結論に達したのだという。
※上写真は先代パッソのロングクッションモード
気になるガソリンエンジン登録車ナンバーワンの燃費だが、一般道をキャスト(自然吸気エンジン)とブーンで連なって約15km走ったところ、キャストが20.4km/L、ブーンが19.4km/Lという結果になった。購入の際の参考にしてほしい。
画像はこちら ブーン・シルク
画像はこちら パッソ
画像はこちら