序盤「温存作戦」を取ったトヨタ86EVが優勝!
そして4時間半の充電のためのインターバルを経て迎えた決勝。日中は陽射しが出たものの、夕方には再び曇り空に戻り、少し肌寒いほどの中でのレーススタートとなった。
スタートは金沢選手のトヨタ86EVコンバート、そして軽量ボディのBMW i3が続き、日産リーフとトヨタ・ミライ勢がこれを追いかける展開となった。
各車両の性能、そして過去のレースから見ても順当にいけば、86コンバートが突っ走って、トヨタ・ミライがそれを追いかけ、BMW i3はレースの後半で日産リーフに抜かれる、そんな流れになるはずであった。
しかし、この開幕戦はちょっと違った。金沢選手がペースを落とし、前に行かざるを得なくトップに立たされた形となった菰田潔選手(#17 BMW i3)がラップリーダーを務めることになったのだ。金沢選手は先頭を行くのではなく、トヨタ・ミライの実力を知るべく、その後ろについて確認をしたいがための戦法をとったのだ。「ペースを落としても誰も抜いてくれなかった」とはトップに立った菰田選手のコメント。菰田選手は無駄に電気を使わされる羽目におちいる。
結局、トップ集団は、BMW i3の2台、トヨタ86EV、トヨタ・ミライの2台という5台によって形成され、レース中盤は菰田選手に代わって金井選手がトップに立つ。トヨタ86EVの金沢選手はここで引き離されてはいかんとばかりに、金井選手が前に出るタイミングで、即座にも後ろについて2番手まで順位を上げる。
「ミライの走りをじっくり観察」した金沢選手は、予定通りスパートをかけて、ミライを抜き去るとそのままチェッカーを受けることとなった。先頭を走らされた菰田選手のBMW i3は、24周目の最終コーナーで制御モードが出てしまい、これ以上周数を重ねることができないと判断。チェッカー優先のためいったんゴール手前で停止し、トップがチェッカーを受けるのを待って、ゴールした。
結果、総合優勝は、金沢秀好選手(#39 ウェルマー☆ビルズ☆FT86EV/EV-Cクラス)、2位に金井亮忠選手(#72 チームNATS・日本自動車大学校・ミライ/EV-Fクラス)、3位に山下潤一郎選手(#59 CARトップ+ Car☆Xs ミライ/EV-Fクラス)が入った。日産リーフのバトルは、レーサー鹿島選手の#88 東洋電産 LEAF(EV-3クラス)が制した。