車両の軽量化にも貢献する画期的な仕組み
燃料電池車であるホンダ・クラリティ フューエルセルには新しいワイパーが採用されている。それがスマートクリアワイパーだ。
ボンネットには、ウォッシャーノズルが存在しない。ワイパー本体にウォッシャーノズルを内蔵したもので、ワイパーゴムの両側にノズルが設けられている。ワイパーの進行方向に向かって広角に噴射する、というものだ。
通常なら、ボンネット上にあるノズルからフロントガラス一面にウォッシャー液が飛び広がる。これにより、一瞬視界を阻害されることがあるのだが、これがなくなる。視界を遮らずに、汚れを拭き取ってしまうのだ。
拭き取り面に直接ウォッシャー液を吹き付けているので洗浄効率を大幅に向上するという。ワイパーを作動させると、こんな感じ。
ワイパーの進行方向にウォッシャーを吹きかけてすぐにそれを拭き取っているのでわかりにくいが、ウォッシャー液が出ているのがわかるだろうか?
もうひとつ、大きなメリットがある。拭き取り効率が高く少量のウォッシャー液で済むので、なんとウォッシャータンクが小さくできるというのだ。車両重量を可能な限り減らしたい燃料電池車だけに、この軽量化のインパクトは大きい。
タンクは通常よりも1リッターほど減量しているという。ボンネット内のタンクを確認するも、なんと、小さくてボディサイドに入り込んでいるため、注入口とレベルを確認するタンクの一部が見えるだけで、タンク自体が薄く小さいため全容も確認できないほど。
クラリティは、そんな細かなところまで配慮がなされた一台なのだ。