ルノーF1チームのタイトル奪還への再挑戦が始まった! (2/2ページ)

ターボ、V型10気筒、2万回転可能なエアバルブをF1で最初に採用

 そもそも市販車からして、コケティッシュでユニークな品揃えをしてくれているが、モーターレーシングの世界でも、アッと驚く発想の多くがフランスなのだ。

 F1に限っても、たとえば1977年、F1GPの世界にチームとして「戻ってきたルノー」が持ち込んだターボエンジンは、その後、ホンダがお株を奪って勝利を重ねて結果として禁止されるほどの猛威を奮った。しかし、発想の原点は間違いなくルノーだった。

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 当初、エンジン規定が3000ccの自然吸気に対して係数が2、つまり、半分の1500ccだったが、参戦を前にしたチーム代表会議で、「係数2は厳しすぎるから1.4に引き下げてあげよう」という提案が出た。しかし、ルノーの代表者は毅然として、「2で結構です」と言い放ち、デビューの2年後のフランスGPでジャンピエール・ジャブイユとルネ・アルヌーがフロントローを独占、ジャブイユが初優勝を飾った。

 アルヌーがフェラーリのジル・ヴィルヌーブと数周にわたって歴史に残るバトルを展開したあのレースだ。


1985年にチームとしての活動を休止したルノーは、その後、アイルトン・セナが乗るロータスへエンジンを届けていたが、ターボが禁止された1989年以降にはウィリアムズに自然吸気エンジンを供給した。その結果、ナイジェル・マンセルは全16戦中14ポールポジョンという凄まじいスピードと勢いをみせつけてワールドチャンピオンを勝ち取った。

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 そしてこの時代にも、新発想をF1に送り込んでいる。ひとつめは、振動の問題でV型10気筒エンジンは暗黙のうちにF1エンジンには向かないといわれていたが、ルノーはコンパクトで高性能が可能なV型10気筒エンジンを採用した。そして二つ目はエアバルブの導入だ。ハイパワー化により、エンジン回転数の上昇で金属のバルブスプリンでは追従できないことからの発想だったが、やがてF1エンジンが最高で2万回転も回っていると伝えられ「カ?ン」という甲高い金切り声のようなエキゾーストノートを響かせるようになったのは、フランスのルノーの手柄と言っていい。

 一方、ラジアルタイヤをF1に持ち込んだのもミシュランである。黄色地に白いストライプのルノーF1と、そこに貼られたブルーのミシュランのステッカーを思い出すムキも多いと思うが、いうまでもなくミシュランはフランスのタイヤメーカーである。WEB CARTOP

 そして今年、その「発想」をベースにしたフランスのルノーがF1に戻ってきた。内情は以前とは様変わりしているが、アラン・プロストやルネ・アルヌー時代より濃いめのイエローで復活したルノー RS16のコクピットには、二人の似たような境遇のドライバーが座っている。ジュリオン・パーマー(イギリス/25歳:写真左)とケビン・マグネッセン(デンマーク/23歳:写真右)だ。二人とも、父親がF1ドライバー(ジョナサン・パーマーとヤン・マグネッセン)であり、いずれの父親とも、F1の世界ではもうひとつパッとしない地味な存在だったことで共通している。WEB CARTOP

 しかし二人の息子たちは期待できそうだ。パーマーは2014年のGP2チャンピオンであり、マグネッセンは、去年までマクラーレンのサードドライバーに登録され、アロンソが欠場した2014年開幕戦の代走でいきなり表彰台に上がる才能を見せていた。

 ホンダの復活も気になるが、カルロス・ゴーンの「肝入り」のルノーがどこまで世界一の激戦が繰り広げられるFIの場で闘ってくれるのか、注目したい。


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