F1の世界に常に新しい技術革新をもたらしてきたルノー
ルノーがF1GPに復活した。そもそもルノーとグランプリというと、1950年に現代のF1GPがスタートする以前にさかのぼる必要があるが、そこは別の機会に譲るとして、現代版F1GPのルノーの歴史は、1976年のターボから始まった。
若干古びた表現になるが、「F1は、ドイツのテクノロジーとイタリアの情熱に支えられている」という名文句がある。「ドイツのテクノロジー」とは、メルセデスを中心としたそれであり、「イタリアの情熱」は言うまでもなくフェラーリである。なんともロマンチックでいい感じの表現だが、そこに、「イギリスのクラフトマンシップとフランスの発想」を入れたいと思う。
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イギリスのクラフトマンシップは、F1チームのほとんどが籍を置くイギリスに、モータースポーツ産業が立派に存在することをいうまでもなく、一点もの、特にクルマに関するパーツを作らせたら、思わず唸る匠の技が隠れている。マクラーレンの工場の落成式に女王陛下が臨席される国であり、ホンダF1レーシングが本拠地を構えるミルトンキーンズを中心に、細かいパーツを専門的に作るファブリケーターが軒を連ねている。