ライバルのトヨタ・エスティマ・ハイブリッドを圧倒する燃費!
ホンダのミニバン「オデッセイ」にハイブリッドが追加されたのは、2016年2月5日。好調に販売が推移しているというオデッセイ・ハイブリットにモータージャーナリストの青山尚輝さんが試乗をしてきた。燃費性能と走りのよさ、乗降性、居住性、荷室の使い勝手を贅沢に備えたミニバンであること間違いなしだという。
ついにオデッセイにハイブリッドモデルが加わった。アコード用の2モーターのスポーツハイブリッドiMMDを小型化・高出力化してコストダウンを図り、2リッターエンジンは145ps、17.8kg?m。モーターはなんと184ps、32.1kg?mというアコード(143ps、16.8kg?m/169ps、31.3kg?m)を凌ぐパワーを手に入れている。
しかもJC08モード燃費は26km/L! ガソリン車の倍近い数値なのだから驚きを隠せない。ライバルと目される2.4リッターハイブリッドのトヨタ・エスティマは18km/Lである。
さっそく17インチタイヤを履くハイブリッドアブソルート(ガソリン同仕様比約80kg増)を走らせてみた。ガソリンのアブソルートは歴代でもっとも尖った2代目アブソルートのユーザー向け? の硬めの乗り心地をよしとするスポーツミニバン。燃費と動力性能を両立した理想的なミニバンが登場!
しかしハイブリッドはアブソルートでも全席の居住性、ラゲッジの使い勝手を犠牲にしない、1列目席下に配置されたリチウムイオンバッテリー&制御用ECUなどで構成されるIPUによって低重心化され、全体で約80kgの重量増ながら、ガソリン車のアブソルートとは別物。ゴツゴツ感は皆無、ストローク感のあるしなやかで上質な高級サルーンを思わせる乗り心地を示してくれた。
出足はもちろんEV走行(最大110km/hまでで、3?4km走行可能)。そこからは豊潤なモータートルクによる滑らかで力強い加速力をジェントルに発揮。エンジンを回すシーンでも車内通過ノイズは微小だ。
ただ、パワステの操舵感は重めのタッチ。標準のハイブリッド、ガソリンのアブソルートと比べてややすっきり感に欠ける印象だった。
ハイブリッドはガソリン車と違い、16インチタイヤを履く標準車でもエンジン&モーターのパワースペックは同じ。乗り心地はさらに心地よく軽やかで、段差などでの突き上げ感も軽微。ECONのON/OFFを問わず、アクセルをスッと踏んだ際のトルクの出方、加速感も軽快だ。
高速走行ではパワステがビシリと引き締まり、直進感、フラット感ともに好印象。だが静粛性はガソリン車を上まわるものの、それゆえ低転がりタイヤが発するロードノイズが大きめに感じられたのも事実。
とはいえオデッセイハイブリッドは現時点で理想の燃費性能と走りのよさ、乗降性、居住性、荷室の使い勝手を贅沢に備えたミニバンであること間違いなし。ちなみに新型の上級グレードには大型コンソールボックス&アームレストが新設定されているが、1?2列目席スルーがややしにくくなるので選択時は要注意(100V/1500Wコンセントとセットだから悩ましい)。2月中旬現在、受注比率は約70%とのこと。