レザートップにアポロウインカー、格納式ライトって知ってる?
現代の自動車は「家電化」してると言われるだけに、クルマ自体の個性も消えつつある。いつしか昭和時代には当たり前だったオリジナルのアイテムも消えていった。そんな昭和の時代に流行した懐かしのアイテムを振り返りたい。
<格納式ライト>
言わずと知れた「リトラクタブルヘッドライト」が正式名。日本では1967年(昭和43年)にトヨタ2000GTが初めて採用した。これは、ロングノーズ+低いボンネットのデザインを優先すると、法規に定められた位置にヘッドライトが装着できないため、装着位置の法規をクリアさせるべくライトを出したときに法規準をクリアできるようにした苦肉の策。だがそのカッコよさにファン多し! トヨタ2000GTの後は、1978年の(昭和58年)マツダRX-7(SA22)や86トレノなどにも採用されるなど、昭和のスポーツカーを象徴するアイテムとなった。
〈アポロ〉
宇宙計画でも明治製菓のチョコレートでもなく、昭和30年代初期にアポロ工業が製作していたアイテム。内蔵されている方向指示器が物理的に飛び出すタイプのウインカーだ。アポロ製ウインカーが矢羽式方向指示器の代名詞となり、「アポロウインカー」と総称された。アポロウインカーはBピラーに隠されており、ウィンカーレバーを曲がり対方向に動かすと、それに連動してAピラーやBピラーに収納されていたアポロウインカーがスッと飛び出る方向指示器。だが、突起物として危険であり歩行者保護上も思わしくないという理由から消えていった。
〈レザートップ〉
アメリカで1960年から80年頃まで流行した屋根をレザー仕上げにしたクルマ。日本においては、大衆車には採用されなかったが、スポーツ志向の高級車にオプションで設定されていた。耐久性や手入れが大変で痛みが激しく、自然と消滅していった。