トルクの6割を底上げし扱いやすさ向上、最高出力は570ps!
2016年3月25日、ニューヨーク国際オートショーでワールドプレミアを果たした日産R35GT−R 2017年モデル。その日本仕様と欧州仕様が4月1日、神奈川県横浜市の日産自動車本社で初公開された。
「日本で生まれ、日本で育ったGT-R。日産自動車のあらゆる技を導入し、モノ作りの情熱を詰め込んだクルマをここ日本で発表できることをうれしく思います」と日産自動車の西川廣人CCOの第一声で幕を開けた日産GT−R 2017年モデルの先行披露会。段上でアンベールされたR35GT-Rはニューヨークショーと同じくカクテルドレスのような眩いばかりのオレンジ。ブラッシュアップされたGT−Rにはよく似合う。加えて、6台の欧州仕様車も展示。全7色のうち5色が横浜に集結した。

R35GT-Rはこれまで2度マイナーチェンジが施されたが、メカニズム関係が中心で、内外装には大きく手は加えられてこなかった。そこに今回は大きくメスが入れられた。とくに内装はダッシュボードを一新。広がり感のある空間を表現しながら、本革やカーボンを多用することで質感を向上、スイッチ類をドライバーに近づけ、パドルシフトをコラムからステアリングホイール固定にするなど操作性を高めるなど、ドライバーオリエンテッドな空間に仕上がっている。
エクステリアに関しては一見すると従来から大きく変更されていないように見えるが、前後のバンパーのみならず、サイドステップ、ボンネット、アッパーキャビンまで変更されるなど大きく手が加えられている。これは剛性アップと整流効果の向上を狙った処理。
全体的に筋肉が盛られたような造形は風洞にかけられて磨き上げられた機能美追求のデザイン。さらにはフロント開口部拡大は冷却性能を向上させ、ボンネットはボディパネルの一部としてネジれ、ゆがみを抑えている。さらにフロンドウィンドはサイドフレームを強化し、前後のボディ変形量の差を整えることで、タイヤの接地感をアップ。コーンリング性能と高速走行の安定感をレベルアップさせるなどビジュアル面のみならず走る楽しさ、気持ち良さをさらに引き上げている。
市販車として現在国内最高の550psを誇る3.8リッターV型6気筒ツインターボエンジンはGT−R NISMOで投入された気筒別点火時期制御を採用することで、570psとさらに20psのエクストラパワーを手に入れた。トルクは数値こそ大きく変わらないが、全体の六割を底上げするなど厚みを増している。加えて独自の6速DCTトランスミッションもパーシャル域での変速をより滑らかにし、変速時のノイズを抑えることでスムーズな加速感が得られるように改良が加えられた。また、ボディ前後に吸音材や静振剤を追加し、快適な室内空間を確保するなど、あらゆる面で改良&熟成が進められている。
「日産のあらゆる技術を詰め込まれたクルマがGT−R。単なる速さだけでなく、奥行きや佇まい、雰囲気、そして奏でる音まで質感を高めて、よりプレミアムな領域へと深化しました」とR35GT-RのCPSである田村宏志氏。さらに、「究極のドライビングプレジャーの追求というGT−Rのキーワードとも言える言葉には終わりはありません。ここで皆様に御披露目した明日からが、またその始まりであり、われわれの挑戦は続くのです」と締めくくった。
?2007年12月の登場からすでに9年。ここまで年数が経過したクルマでここまで大掛かりな変更が施された日本車はこれまで皆無ではないか。今回の先行披露会は「R35GT−Rには深化の余地が残されており、まだまだその手を緩めるつもりはない」という日産開発陣の強い意志が感じられた。
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