開幕のデータを改善すればそれなりの位置で闘える!?
結果として、不運も重なったこともあってマクラーレン・ホンダの開幕戦は奮わなかった。長谷川F1プロジェクト総責任は、しかし、結果がすべてなので、去年と同じじゃないかと言われれば、それまでで、残念ですね」と天を仰いだ。
開幕戦で、テストではみえなかった全体の中でのポジションが見えた。「中団の集団には入れていたと思います。クルマのパッケージそのものはそんなに悪くなかったということだと思います」と語った。
さて、実際にマクラーレン・ホンダがどの辺りにいるのかと言えば、正確なポジションはまだわからないにしても、大方、長谷川F1プロジェクト総責任が予測した“Q3進出は簡単ではない”ということになりそうだ。
決勝レースは、不測事態が起きる。今回のフェルナンド・アロンソのアクシデントによる赤旗中断がいい例だが、予選はマシンのポテンシャルとおりの序列になる。マクラーレン・ホンダの状況は、“Q3進出は厳しいが、決勝レースでは安定したそれなりの力を持っている”ということである。
フェルナンド・アロンソは、彼にしては極めて珍しい目測の誤りでグティエレス+ハースに追突してレースを終えたが、スタートで10番手に進出し、そこまでのペースは、去年とは比較にならない好調さだった。アクシデントを“不測の事態”のひとつだが、それを取り去れば、去年より格段にレースペースは上がっていると見ていい。
長谷川代表は、次のバーレーンに向けて、「今回のデータをとれた中で、もうちょっと改善というか準備をしていけば、それなりのポジションで戦えるかな、と思います」と頼もしいコメントをしてくれた。溜め込んだエネルギーの使い方(デプロイ)について二人のドライバーはポジティブなコメントだったという。
ただし、「期待していいですか?」という質問には笑いながら、「いや(笑)。中団で、ちゃんとポイント圏内を争いたい、と思っています」と答えた。
今週末の第二戦バーレーンGPは、高温で熱対策に厳しい砂漠の中のサーキットだ。開幕戦オーストラリアの市街地とはガラリと性格を変える。マクラーレン・ホンダがそこでどんな闘いを見せるか。フェラーリとメルセデスのポジションも含めて、シーズンの流れは、まだ見えない。
(写真:山口正己)