長谷川祐介ホンダF1プロジェクト総責任者が開幕戦を振り返る
フェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンが12番手と13番手となった土曜日の予選を挟んで、レースを終えた長谷川F1プロジェクト総責任は、複雑な表情で、でも金曜日と同じスタンスで、フェルナンド・アロンソがアクシデントで消え、ジェンソン・バトンが14番手という渋い結果となった開幕戦についたコメントした。
「いいことなく終わったけれど、唯一よかったのは、フェルナンドが無事だったことです。足にちょっと怪我をしていますがたいしことがなくてよかったです。アロンソと当たったグティエレス選手も無事でしたし」と残念な中にも安堵感を伺える表情で言った。モーターレーシングを理解している顔だった。「それ以外はまぁ、いいところがなかったですね。フタを開けてみれば、1周遅れの14位ですか。大変残念な結果です」
バトンは、最初のタイヤ交換をこなして第二スティントに入った直後に赤旗が出た。タイミングは最悪。赤旗中断中にタイヤを交換したライバルより1回多くピットインする計算になってしまった。
その結果、後方集団に飲み込まれて前を阻まれてペースがあがらなかった。追い越しは基本としてストレートエンドになるが、前回お伝えした最高速で、ホンダはライバルに引けをとっていた。長谷川F1プロジェクト総責任者も、「なんと言っても、後方集団に入ったところで抜けなかった、というのが、もう大きかったですね」と振り返った。
マクラーレン・ホンダは二人のドライバーを違うタイヤでスタートさせた。アロンソは、最も柔らかい=スピードが稼げるがライフの短いスーパーソフト、バトンは3種類の中間のソフトタイヤだ。
バトンの方が固いタイヤだがアロンソの12周に対して、「もう走れない」と無線で訴えて15周でタイヤ交換を行なった。レースにタラレバはないが、アロンソのアクシデントが起きたのが16周目、すぐに出動したセフティカー先導までもう少し待てれば、さらにもっと引っ張って赤旗中に交換していたら、違う結果になった可能性が充分にあった。
とはいえ、レースによって、異なる3種類が供給されるピレリ・タイヤの中で、今回最も固いミディアムタイヤでのバトンは、上位陣に匹敵する1分32秒台を記録している。長谷川F1プロジェクト総責任も、「ペースは決して悪くなかったと思いますが、やはりレースのトラフィックをうまくマネージできなかった、ということだと思います」と語った。