トヨタ新型プリウスPHVはソーラー充電完備で、EV走行60km達成!
2016年3月23日からはじまったアメリカ・ニューヨーク国際オートショーで、フルモデルチェンジされるトヨタ・プリウスPHV(アメリカ名:プリウス プライム)が発表された。EV走行距離が現行モデルの2倍、60km以上と大幅に延長した。
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ベースは昨年末に登場した4代目プリウスで、TNGAコンセプトの新開発のプラットフォームだが、注目は何といってもEV走行距離。現行モデルが26.4kmだったのに対し、新型プリウスPHVはリチウムイオン電池の小型軽量化、高容量化で、なんと60km以上という長〜い脚を確保することとなった。
これまでは片道10kmの通勤圏でも、毎日、充電が必要だったのが、3日に一度の充電でOKになる計算だ(EV走行に限った場合)。しかも現行モデルは、家庭用電源からの充電が基本だったのに対し、新型プリウスPHVは、充電ステーションでの急速充電にも対応(日本仕様のみ)。
急速充電なら、約20分で充電容量80%までチャージできる。もちろん、従来どおり家庭用電源からの充電も可能。さらに駆動用バッテリーを充電する、世界初のソーラー充電システムも採用(日本と欧州仕様限定)。ルーフ上に太陽光パネルがあり、駐車中は駆動用バッテリーの充電、走行中も補機電池や補機類の電力供給に太陽光発電を利用している。
また外部電源供給システムを搭載しているので、プリウスPHVのバッテリーを家庭用蓄電池の代替えとしても利用でき、アウトドアなどでも重宝するし、非常時にはエンジンを作動させ、発電機として機能させることさえできる(日本仕様のみ)。
バッテリー&充電関係以外にも注目点がある。新型プリウスPHVでは、従来発電機としてのみ使っていたモーターをエンジンと動力分割機構の間に新たにワンウェイクラッチを組み込むことで、走行用モーターにも利用するデュアルモータードライブシステムを採用。
走行用モーターと合わせ、ツインモーターで走行することで、EVモードでの走りが一段と力強くなり、日常使用時のモーター走行領域を広げることにも成功。ちなみに、ハイブリット燃料消費率も37km/l以上と、新しいプリウスHVのAツーリングセレクション(37.2km/L)と同等という点も特筆できる。
エクステリアは、フロントに大型アクリルグリル、リアはオーバーハングを80ミリ延長し、サイドシルエットを伸びやかにするなど、独自性を持たせている。また、バックドアが、トヨタ初のCFRP(炭素繊維強化樹脂)製で軽量化され、後方の視認性も向上している。
もうひとつ、エアコンも、世界初のガスインジェクション機能付きヒートポンプオートエアコンに進化。効率よく吸熱、放熱することで、エンジンを作動させずに暖房を使用しながらEV走行できる距離、速度域を大幅に拡大。
ますます死角のなくなった新型プリウスPHVは、2016年秋から、国内に導入される見込みだ。