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1年4か月遅れで登場したホンダの燃料電池車はトヨタMIRAIと何が違う? (2/2ページ)

1年4か月遅れで登場したホンダの燃料電池車はトヨタMIRAIと何が違う?

未来のクルマだから妥協なし「5人乗りであること」

 2015年秋の東京モーターショーにも出展されていた、ホンダの燃料電池車「クラリティ フューエルセル(※燃料電池のこと)」が、ついに発売開始となった。

 大小2つのタンクに70MPaの高圧水素を貯蔵(満タン時で約5kg)、その水素を大気中の酸素と反応させて得た電力によりフロントタイヤを駆動するという燃料電池車である。ひとまずはフリートユーザー向けのリース販売からスタートとなり、メーカー希望価格は税込み766万円。この価格を見て、後発となるホンダが先行するトヨタMIRAIの723万6000円よりも高い値段をつけてきたことは意外だった。

 今後の発表となるであろう平成28年度のCES補助金を考慮すると差は縮まると予想される面もあるが。というわけで、市販燃料電池車としてトヨタMIRAIにようやくライバルが出現したわけだが、MIRAIとクラリティ フューエルセルを比べると、基本コンセプトが意外に異なるという風に見える。

 当たり前だが、遅れて出てきただけ、ホンダの燃料電池車は考え方では未来を見据えていると感じるのだ。まず、最大の違いはMIRAIの乗車定員が4名なのに対して、クラリティ フューエルセルは5名乗車となっている点。

 本田技術研究所において開発責任者を務めた清水潔さんは、過去にホンダがリース販売したFCXクラリティのアメリカにおけるセールスやプロモーションに関わったこともある人物。その経験を踏まえ、新型車発表会の場において「特別な次世代カーだからといってお客様に不便を強いてはならない。たとえば5人が乗れることは非常に重要だ」といった旨の発言をしている。

 清水さんの発言は、多分にトヨタMIRAIを意識してのものだろうが、5名乗車を可能とするのに開発期間を要したという面はありそうだ。というのも、過去にホンダがリース販売をしていた「FCXクラリティ」と新しいクラリティ フューエルセルはパッケージからして異なっている。

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