うんちく要素もあるが、おもわず納得できる車名!
自動車の車名は、そのクルマのキャラクターを表す重要なポイントになる。車名に採用される単語は、イメージが良く、明るく、発音がしやすい事や、覚えやすいものなど自動車メーカーも頭を抱えているハズ。そんな中で、よく使われているのが音楽用語だ。実際の性能や走りは別として、これまで親しみやすいと思われるネーミングが冠されたクルマたちを紹介したい。
〈スズキ・アルト〉
1979年(昭和54年)に47万円で発売をして話題となった軽自動車が、初代スズキ・アルト。デビュー当時は、「47万円」と広告に大きく書かれたインパクトのある低価格だった。「あると便利なアルト」と、韻を踏む(ダジャレともいう)キャッチコピーを引用した。音楽用語でアルトはソプラノの下で、テノールより上の音域のことをいう。女性で1番低い声域でもある。〈マツダ・シャンテ〉
1972年(昭和47年)に44.5万円で売り出されたマツダ・シャンテ。当時、シングルローターのロータリーエンジンを搭載する予定だったが、実現とはならずレシプロの360cc2サイクルエンジンを搭載した。シャンテは、「歌う」「歌うように」という、フランス語。フランス語の「シャンソン」は「歌」そのものを意味する。
〈ホンダ・プレリュード〉
1978年(昭和53年)に116万円で販売されていた初代ホンダ・プレリュード。意外にも初代は地味だったが、サンルーフを備えるなど時代を先取りしていた。そして2代目は、あまりにも有名となった「デートカー」として大ヒットした。プレリュードは、前奏曲。組曲の導入部の楽曲という意味だった。
〈日産マーチ〉
1982年(昭和57年)に60.4万円で発売をしていた初代日産マーチ。「マッチのマーチは、あなたの街にマッチ」。当時のキャッチコピーの流行であったセオリーそのままに、ベタベタに韻をふんでいるが、ネーミングは一般公募で命名された国民的なクルマ。マーチは、2拍子の歯切れの良い行進曲のこと。
〈日産ノート〉
2004年(平成16年)に126万円で発売を開始した日産ノート。帳面のノートと、和音やメロディの基盤となる音階の「ノート」のダブルミーニング。黒人ブルースの基礎となる音階は「ブルー・ノート」であることをご存知の方は、どれくらいいらっしゃるのだろう。
いずれにせよ、車名に音楽用語を採用しているクルマは、これ以外にも多い。まずは覚えやすく、親しみやすいネーミングを考案する際に、どこかで効いたような耳馴染みのいいのが音楽用語に多いのかもしれない。