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【解説】電動化や自動運転も見据えたスバルグローバルプラットフォームとは?

【解説】電動化や自動運転も見据えたスバルグローバルプラットフォームとは?

「動的質感」と「安全性能」の総合性能進化を大変革!

 もともと航空機メーカーをルーツに持ち、合理的な設計思想をDNAとする富士重工業の「スバル」ブランド。そのアイデンティティは水平対向エンジンをフロントに抱える車体設計にある。もちろん、ここ数年でいっきにプレゼンスを増した先進安全システム「アイサイト」もスバルを象徴するテクノロジーとして見逃せない。2016年内に登場するという次期インプレッサから採用される新しい設計に基づいた「スバルグローバルプラットフォーム」が公開された。

 その開発テーマは2つ、『動的質感』と『安全性能』において、スバル史上最高レベルの総合性能進化を目指している。

 さらに、インプレッサから採用されるが、この新世代プラットフォームはスバルのフラッグシップであるレガシィまでをカバーすることも目指しているのだ。具体的には、群馬の2工場とアメリカ・インディアナ州のSIAという3つの主要工場において、すべてのモデルをフレキシブルに生産できるようになるのだ。

 さて『動的質感』を高めるために重要なのはプラットフォームの基礎力。すなわち剛性アップとなる。新しい「スバルグローバルプラットフォーム」では、フロントの車体曲げ剛性で従来比90%アップ、リヤサブフレーム剛性で100%アップなど、各部の剛性を70?100%アップしている。また車体だけでなく、サスペンションにおいてもアルミ製フロントハブキャリアの採用、リヤのスタビライザーをボディにマウントするなど『動的質感』の向上に向けて、各部が作りこまれているのだ。

 安全性能については、アイサイトの装着位置を前提とした設計になるなど“ぶつからない”面でも配慮した新プラットフォームだが、衝突安全性を左右する車体強度も40%増しで高めているという。衝突したエネルギーを流すメインフレームを前から後ろまで滑らかに配置する新設計やハイテン鋼の積極的な採用も強度アップには寄与しているという。なお、新設計によって生み出された軽量代については、そのまま軽くするのではなく、動的質感などの伸び代として利用したというのも、スバルらしいところだ。

 10年先まで睨んだ新プラットフォーム、ひとまず2020年まではスチールボディを想定しているというが、2025年頃には、車体強度を高めるためにカーボンなどの非鉄材の使用も視野に入れているという。そうした発展性を考慮している点も新世代プラットフォームならではといえるだろう。

 古くからのスバルファンであれば、1980年代終わりに初代レガシィが登場したときに、スバルの車両設計が一気にレベルアップしたという印象もあるだろう。今回の「スバルグローバルプラットフォーム」は、それ以来といえる大変革である。それはパワートレインについても言える。今回の発表では次世代パワーユニットについて言及されなかったが、新世代プラットフォームは内燃機関だけでなく、ハイブリッド、プラグインハイブリッド、EVといった電動車両までも対応できると明言された。

 また、アイサイトを発展させた自動運転について、2020年までのローンチを発表したスバル。新しいスバルグローバルプラットフォームが生み出す動的質感は、自動運転での快適さとしてライバルと差別化のポイントになるということだ。

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