国交省と環境省の試験でマツダ製ディーゼルがNOx排出量の少なさ証明
2015年9月に北米で発覚したフォルクスワーゲンのディーゼルエンジンへの違法プログラム使用問題(通称「ディーゼルゲート」)の影響で、日本でも乗用車にディフィートデバイスと呼ばれる違法プログラムの使用が禁じられ、台上試験を検知して専用の制御を行なうことができなくなった。
それまでもトラックなどではディフィートデバイスは禁じられており、実際にディフィートデバイスを走らせているメーカーはなかったというが、「ディーゼルゲート」を機に、そのあたりを明確にしたというわけだ。
そこで、国土交通省と環境省は、合同で国産各車のディーゼル乗用車に対して、車載式排出ガス測定システム(PEMS)を使い、ディフィートデバイスの有無について検証することになった。試験が行なわれたのが2015年12月、その結果がまとめられ公表されている。
台上試験と路上走行試験(都市内・都市間・高速という3ステージの往復路)を行なうことで、ディフィートデバイスを使っているかどうかを、NOx(窒素酸化物)とCO(一酸化炭素)の排出量によって調査するというのが目的だ。台上試験と路上走行試験で乖離するかどうかを確認、大きな乖離があった場合は、ディフィートデバイス以外の明確な理由があるかどうかを検証するというのが、その内容である。
また路上走行試験というのは、その性格から試験日時(天候や気温)・交通状況(渋滞の有無や程度)が異なるので、横並びの比較はできるものではない。あくまでも、各車における乖離と、その理由が明確になるかどうかで、ディフィートデバイスの有無を確認するのが第一の目的といえる。
その試験に集められたのは、マツダCX-5とデミオ、日産エクストレイル(販売終了モデル)、三菱デリカD:5、トヨタ・ランドクルーザープラドとハイエース(商用車)の6台。ハイエースについてはディーゼル中量貨物車ゆえに基準が異なっているが、今回の試験は台上と路上での乖離の確認が目的なので絶対値を重視しているものではないといえる。