中谷明彦に「サーキットで限界性能を試したい!」と言わせる高性能
4人乗りのミッドシップ・スーパースポーツカーとして人気の高いロータス・エヴォーラが、よりパワフルに進化し、速さを増した。トヨタ製3.5リッター V型6気筒ガソリンエンジンにスーパーチャージャーを装着。AT車はビギナーにも楽しめる仕様となり、MT車はサーキットで限界性能を試したくなるクルマだ。
トヨタ製エンジンには独自のチューニングを施し、406psの最高出力と410Nmの最大トルクを誇るパワーユニットに仕上げた。これに6速MTか、アイシン製6速ATを組み合わせている。新モデルは従来のエヴォーラSより50ps以上の出力向上を果たしたパワーにちなんでか、エヴォーラ400とネーミングされた。
その動力性能は6速MT搭載車で最高速度が300km/hに達し、0-100km/h加速タイムは4.2秒という俊足を誇る。車両重量は6速MT仕様で1395kg、AT仕様は1425kgで、従来比約22kgも軽量化を達成している。
まずはAT仕様に試乗してみる。
ATとはいえ電子制御のプログラムはノーマル・スポーツ・レースと3モード選択でき、ESPのプログラムやトラクションコントロール、スロットルレスポンスなどが切り替えられる。スポーツモード以上ではエキゾーストノートフラップが作動し、迫力あるサウンドが楽しめた。2ペダルのイージーさに加え、油圧パワーステアリングも装備しているため女性やビギナーへも安心して勧められる。
だが本領を発揮させるなら6速MT車だ。LSDが標準装着され、コーナリング脱出時のトラクションが強まる。加えて軽いフロントによるターンイン性能のよさと低重心で高いコーナリング限界がレーシングカー並みの速さを可能とする。
イギリス・ノーフォーク州にあるロータス本社のヘセル・テストコースでラップタイムを6秒も短縮したそうだが、このコーナリング性能なら、それも頷ける。620度の高温も耐えるというブレーキも強力で、ぜひサーキットで限界性能を試してみたいと思えるほど、史上最速のロータスは刺激的だった。
(写真:髙木博史)