ルノー・スポールの源流は空力マシンのスペシャリスト (2/2ページ)

1976-80 Renault-Alpine A310 V6『打倒ポルシェ』を旗印に掲げた第二の矢
A106~A108~A110と正常進化を遂げてきたアルピーヌの、次なる一手は全く異なったモデルラインとして登場する。それは1971年のジュネーブショーでワールドプレミアを果たしたA310だ。リアにルノー製エンジンを搭載し、FRP製のボディを被せるパッケージングは共通していたが、その目指したところは大きく異なっていた。

1976-80_Renault-Alpine A310 V6_WEB CARTOPつまりA110までは小型軽量のスポーツカーを目指していたのに対し、A310では『打倒ポルシェ』を旗印に掲げたプレミアムスポーツへと舵を切っていたのだ。それに伴い、当初はA110にも流用されていたR16TS用を搭載していたが、76年にはフェイスリフトを受け、エンジンをルノー・ボルボ・プジョーで共同開発した2.7リッターV6を搭載したA310 V6に発展。3リッターV6ターボを搭載した90年代のA610へと繋がっていく。写真のモデルは70年代後半…極初期型のA310 V6でオランダ北部、フライスランドのランブラーAMC博物館にて撮影。

1963 Alpine Renault A210/M63
1966 Alpine Renault A210/M66 Le Mans A110をレーシングマシンに昇華させた4つの才能
ルノーから強力な支援を受けたアルピーヌは、ル・マン24時間レースとメーカー選手権への参戦を決断した。そしてエンジンチューナーのアメディ・ゴルディーニとシャシーデザイナーのレン・テリー、空力のスペシャリストマルセル・ユベール。そして彼らを統括するジャン・レデレ。4つの、ほとばしる才能を結集させたレーシングマシンが1963年に登場したアルピーヌ・ルノーA210/M63。1963_Alpine Renault A210/M63 WEB CARTOPロードモデルのA110ベルリネッタをベースに、バックボーンをメインに細身のパイプでスペースフレームを組み込んだシャシーに、OHVながらロッカーシャフトを2本にしてクロスフローへとコンバートしたエンジンを搭載。流麗でスリーク、なおかつ軽量に仕上がったFRP製のボディを被せたスーパーマシンに仕上がっていた。1966_Alpine Renault A210/M66 Le Mans_WEB CARTOP

 デビューシーズンこそル・マン24時間では全滅してしまったが、翌年のM64は熱効率指数賞を獲得。65年のM65ではロングテールに生まれ変わると、66年のM66は、クラス優勝はもちろん、総合でも11~13位に入賞。韋駄天ぶりを見せている。#50は63年仕様のA210/M63。#47は66年仕様のA210/M66。ともにフランス東部のマノワール自動車博物館にて撮影。


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