EURO6は10年遅れで日米に追いついた格好
しかし、欧州の「EURO6」と呼ばれるこの規制は、2015年から実施されているもの。対して、アメリカの規制は2004年から実施されているのだ。
10年以上前に、最新の欧州基準よりも厳しいNOx排出レベルを求めているという意識を考慮すれば、NOx排出量をごまかしたフォルクスワーゲンのディーゼルゲートが彼の地で厳しく批判されるのもむべなるかなである。また、日本の規制にしても、ガソリン車は平成17年(2005年)規制であるし、ディーゼルについては2008年のポスト新長期規制が現在の基準となっている。
まさに欧州のEURO6は10年遅れで日米に追いついた格好になる。もちろん、各メーカーはグローバル展開をしているので仕向地の規制に合わせる必要があるが、マインドとして欧州のエミッションへの意識が遅れているというのは、規制の数字だけでなく実施年からも感じられるのではないだろうか。そうした環境意識も、報道にあったようなNGOからの批判につながっているのかもしれない。
ちなみに日本で星の数で示される「低排出ガス車」というのは、上記の規制に対して50%減、75%減のエミッションレベルであることを意味している。規制値というのはあくまでギリギリのラインであって、それを下回ったレベルに抑えるのが当たり前の時代なのであり、そのインセンティブとしてエコカー減税などの政策があるというわけだ。