ICCTが「欧州メーカーの排ガス削減取り組みに不満」表明
フォルクスワーゲンがエンジン制御に違法プログラムを使い、排ガス試験時だけエミッションレベルをよく見せた「ディーゼルゲート」問題から世界中で自動車の排ガスに対する目が厳しくなっている。先日も、ベルリンやワシントンなどに拠点を置くNGO「国際清浄交通委員会(ICCT)」が、欧州の自動車メーカーの排ガス削減への取り組みが不十分だとして、不満を表明している。
果たして、こうした問題は欧州系メーカーに限った話なのだろうか。はたして、その答えは、日米欧における市販乗用車の排ガス規制の数値にあった。
2016年現在の排ガス規制については日米欧でさほど変わらないといわれている。たしかに、下に示すようにCO(一酸化炭素)とNOx(窒素酸化物)そしてPM(粒子状物質)の規制値には大きな差はない。
■日米欧エミッション規制値
日本(ガソリン)
CO:1.15g/km NOx:0.05g/km PM:0.005g/km※
(※リーンバーン直噴エンジンなどが対象)
日本(ディーゼル)
CO:0.63g/km NOx:0.08g/km PM:0.005g/km
欧州(ガソリン)
CO:1.0g/km NOx:0.060g/km PM:0.005g/km
欧州(ディーゼル)
CO:0.50g/km NOx:0.080g/km PM:0.005g/km
アメリカ(ガソリン・ディーゼル共通)
CO:2.6g/km NOx:0.04g/km PM:0.0065g/km
(※規制値がg/mileのため換算値)
数字だけを見ていると欧州の規制値は十分に厳しいようにも見える。