日産自動車が自動的にホームポジションに戻る帰巣機能付き椅子開発
自動運転技術を応用して、オフィスや会議室の散らかったイスを、センサーと自動操舵により整然ともとの場所に収まる技術を日産自動車が開発。
2月19日(金)から23日(火)まで、日産グローバル本社ギャラリーにて実物を展示し、動作イメージが分かるコンセプトムービーを公開している。
「INTELLIGENT PARKING CHAIR」と名付けられたこのイスは、ネーミングからも分かるとおり、日産のエクストレイルに搭載している「インテリジェントパーキングアシスト」のシステムがベース。
車体のフロント、リア、サイドミラー両側の4箇所にカメラを搭載し、各カメラの映像を変換することでトップビューを作成し、それを見ながらクルマの駐車位置を指定すると、自動的にハンドル操作が行われる「インテリジェントパーキングアシスト」と原理原則は同じで、「INTELLIGENT PARKING CHAIR」も、イスが設置された室内の天井4箇所に感知器を設置。これがイスの現在地を特定し、コンピューターが元の位置に戻るための移動経路を計算。
自動操舵で360度動ける、イスの脚部に内蔵されたローラーによって、あらかじめ設定した定位置へと移動させる仕組みになっている。ちなみにイスの制作は、最先端のデジタルプロモーションを手掛けるインタラクティブカンパニー「BIRDMAN」が担当。
最新の車両搭載技術、自動運転技術が、身近な日常生活に与える影響のひとつの例として、チェックしておくと面白い。
あと十年もすれば、飲み屋で酔いつぶれた人を、自動的に終電にのせ、寝過ごすことなく最寄駅で下車させて帰宅させ、着替えて、歯を磨いてベッドに入れてくれる、人間の自動運転ができても不思議ではないかも!?
何でもひとの手を煩わせることがなくなるのは、いいような気もするが、一方で、労働の価値観、身体と精神の関係はどうなっていくのか、ちょっと心配になってきた。
(文:藤田竜太)