ルノーのターボエンジンは、まさしくモータースポーツ直系!

ダウンサイジング過給のメリットはレースで証明されてきた

 同じエンジンの力強さ(トルク)を目指すのならば、気筒数を減らし、排気量を小さくして過給したほうがパッケージ面でも、効率面でも有利という考えから生まれた「ダウンサイジングターボ」というエンジンへのアプローチは、いまや世界中の自動車メーカーが実践している一大トレンドとなっている。WEB CARTOP

 そのダウンサイジング・トレンドはジャーマン系メーカーから生まれたという認識も多いかもしれない。たしかに、現在の実用的で省燃費なターボエンジンというトレンドを生み出したのはフォルクスワーゲン・グループといえるが、ターボエンジンのメリットを早々に気付き、1970年代からチャレンジし続けている大衆車メーカーはフォルクスワーゲンではない。じつは、フレンチブランドのルノーこそ、ターボエンジンの可能性にいち早く取り組んだメーカーなのである

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 そのターボエンジン・テクノロジーは、モータースポーツで鍛えられた。1976年からル・マン24時間耐久レースに2.0リッターV6ターボエンジンを搭載して挑戦を始めている。参戦初年度からポールポジションを獲得。1978年にライバル、ポルシェを破りRenault-Alpine-A442-Turboで念願のル・マン制覇を遂げている。Renault-Alpine-A442-Turbo

 そのV6エンジンの1.5リッター版といえるのが、1976年に生まれたF1初のターボエンジンである「EF1」になったことは、よく知られている。3.0リッター自然吸気エンジンで争われていた当時のF1において、過給しているとはいえ、半分の排気量というのは勝負権があるとは思えなかったが、進化を遂げた1979年にはRenault-RS14がターボエンジンとしてF1での初勝利をあげている。Renault-RS14また、ラリーにおいてもハッチバック車である「5(サンク)」の後席や荷室を取り払い、そこに1.4リッターターボを縦置きミッドシップに搭載した「サンクターボ」を生み出し、1980年代のWRCにて大活躍したことも知られている。ちなみに、この1.4リッターターボエンジンをフロントに積んだFFホットハッチが、「サンク・アルピーヌ(ターボ)」。モータースポーツで鍛えられたルノーのターボテクノロジーは、しっかりと市販車にフィードバックされていった。WEB CARTOP

 これらは、ざっと30~40年前の話。もう多くを語らなくともわかるかもしれないが、ルノーのダウンサイジングターボというのは、けっしてジャーマンブランドの後追いではない。歴史的経緯からすると、小排気量ターボに関していえば、ルノーが切り開いてきた道を他のメーカーが走ってきていると言える。WEB CARTOP

 たとえば、ルノーのボトムラインといえるルーテシアには0.9リッター3気筒と1.2リッター4気筒ターボが搭載されている。ダウンサイジングターボの威力がどれほどかと言えば、分かりやすく言うならルーテシアの1.2リッター4気筒のターボエンジンが、わずか2000回転で2リッターエンジン並みのトルクを発揮する。そのバックボーンには、サンクターボを始めとしたモータースポーツで鍛え上げられた技術がある。
また、このダウンサイジングターボのエンジンには、EDC(エフィシエントデュアルクラッチ)という新開発のツインクラッチ式2ペダルのトランスミッションの組み合わせがベストチョイスといえる。
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 もちろん、その最高峰は273馬力を発するメガーヌ ルノー・スポール トロフィーの2.0リッター「F4R」エンジンである。現実のパフォーマンスだけでなく、ルーツにまで思いを馳せれば、ルノーのターボエンジンが持つ魅力を、より感じることができるだろう。

レースからのフィードバックを受けたルノーのラインナップ

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