脇阪寿一はGT500の監督に就任、小林可夢偉はル・マンに参戦
2016年のトヨタモータースポーツ活動計画が発表された。モータースポーツ活動を、「もっといいクルマづくり」に向けた、人やクルマを鍛える場として捉えているトヨタ。そのモータースポーツ活動全般を「TOYOTA GAZOO Racing」として統一した名称としているが、2016年2月4日に東京お台場・メガウェブで開催されたプレスカンファレンスでは、GAZOO Racingのロゴがリニューアルされること、WRC・WEC・ニュルブルクリンク耐久レース・全日本ラリーという4カテゴリーにおいてカラーリングを統一することが発表されている。
2017年からの参戦復帰に向けて、車両開発を進める年となるWEC(世界ラリー選手権)については、1999年にマニュファクチャラーズタイトルを獲得したときをモータースポーツ部長として知る、専務役員 嵯峨宏英氏(モータースポーツ本部 副本部長)は、ステージ上に登場したトミ・マキネン チーム代表とのジョイントによって進めている1.6リッターターボエンジンとヤリス(ヴィッツ)のボディを使ったWRCマシンの開発に向けて、自信をのぞかせた。
また、ラリーにおいては勝田貴元、新井大輝という二人のサラブレッドドライバーを育成しているラリーチャレンジプログラムについても、トミ・マキネン氏の協力が発表されている。
GAZOO Racingが現在進行形で参戦している、もう一つの世界選手権であるWEC(世界耐久選手権)では、ニューマシンTS050 HYBRIDを開発していることを発表。また、これまでの中嶋一貴選手に加え、小林可夢偉選手もWECのレギュラードライバーを務めることが発表された。なお、中嶋選手と小林選手は別のマシンを操ることになる。
北米で人気のNASCARについては、2015年に初めてドライバータイトルを獲得しているトヨタだが、2016年も米国トヨタを介して引き続き参戦することも発表されている。
国内モータースポーツでは、SUPER GT500に5チーム6台のレクサスRC Fを投入。ドライバーは大きくシャッフルされ、また長年にわたってトヨタのエース格として活躍していきた脇阪寿一選手がトップカテゴリーからの引退を発表、メインスポンサーがワコーズとなったチーム・ルマンの監督を務めることが、本人の口から発表された。
エンジン供給を行なう全日本スーパーフォーミュラ選手権のドライバーや、すでに東京オートサロンで発表されたニュルブルクリンク24時間耐久レースのドライバーも集合したモータースポーツ記者発表は、こうして盛会のうちに幕を閉じたのだった。
(文:山本晋也)
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