旧車へ増税を課し「大量消費バンザイ」の国策に憂う
一方、初代プリウスは、2003年8月までに12万3000台が生産されたが、いまでは街で見かけることはほとんどない……(どこに行ってしまったのだろう?)。R32GT-Rは、4万3934台が生産されたが、そのうち残っているのは何台か。これから増えることは当然ないが、世界的に評価されることで、一台でも多くのR32GT-Rが生き残ってくれることを心から願いたい。
その反面、日本には、優れた工業製品である名車を文化として後世に残す、という発想がまったくなく、それどころか、国とメーカーが一体となって、グリーン化税制の名のもとに、新車登録後13年を経過したクルマには、より重い自動車税を課して新車への買い替えを後押ししている始末。エコといいつつ、大量消費バンザイというのは納得できない。ヨーロッパでは、スイスの「コレクターズナンバー」などを筆頭に、ドイツ、イギリス、イタリア、フランスなどで、ヒストリックカーの自動車税の優遇や、自動車保険も減額が設けられているのに……。
日本の名車、GT-Rが海外に流失してしまうのは、さみしく思うが、このような状況では、流出ではなく、避難と考えた方がいいのかもしれない。気候のいい、ほとんど錆びないカルフォルニアにでも疎開させて、生き延びさせることの方が重要かもしれない。
2016年1月29日に、新型「NSX」の新型1号車が、自動車オークションで、120万ドル(約1億4500万円)で落札されたニュースがあったが、なんかピントがずれている気がするのは、ワタシだけだろうか?
Photo by RMサザビース
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