走行ステージがワインディングになると話は変わる
直噴ターボを搭載するポロとフィエスタには、エンジンをターボの有効回転数以下に落とさないスポーツシフトプログラムが用意され、それを選ぶとクルマのキャラクターが豹変する。もちろん使うと燃費は悪化するのだが……。とくにフィエスタは吹き上がりの刺激や高揚感、さらにはアクセルレスポンスも鋭くなることで、若干硬めに仕上げられた足まわりと相まってワインディングを気もちよく走れる。ちなみにデミオディーゼルは、同様のシーンでもおもに低中回転を使って太いトルクで走り、けして遅くはないが高揚感や気持ちよさに欠ける。
また、高速道路での走りやすさもワインディングでの気持ちよさもほしいという人は、ターボやモーターなどのドーピングなしで勝負しているデミオガソリンに注目。アクセルを踏んだ瞬間にエンジンが即座に吹き上がるNAエンジンならではの特性、さらに1030kgという他モデルより大幅に軽い車両重量によって鋭い加速が得られる。しかもワインディングではその軽さが、ハンドリングやブレーキ操作への反応のよさも生み出しており、じつに走りが気もちいい。
そしてハイブリッド勢だが、フィットHVもアクアも動力源としてシステムの完成度は高い。とくにモーターが得意とする低速走行は、ほかにはない無音走行(疑似音はあるものの)ができるし、速度変化もスムースで街乗りが多いひとにオススメだ。モータートルクが細くなる高速走行時ではエンジンが主役となるが、追い越し加速などの要所ではモーターがもつレスポンスのよさを生かして瞬間的にアシストし、効率よく速度を上げることが可能。この特性により、走行シーンを選ばず圧倒的な燃費性能を実現できるということでもある。しかしながら、走行時の高揚感のなさ、ハンドリング面でのシャーシ性能はもう少し頑張ってほしい。とくにアクアは顕著にそう感じた。
NextPage>>腰痛にならないシートのクルマは?