【検証】大人気のシビックタイプRは本当に買って正解か? (1/2ページ)

警察官までトリコにするアイドルカー!

 428万円のシビック! Civicって「市民の」という意味。庶民的なクルマにつけられた、かなり高額のプライスタグ。それにもかかわらず、抽選倍率は軽く10倍以上と、もの凄い人気で買おうにも買えないのだが、その人気どおり「買い」なのかを考えてみた。メイン

 まずは目立ち度。「サングラスなしじゃ街に出られないよ」。そんな芸能人バリの言葉を吐くほど! 街行く歩行者、信号待ちで隣に並んだクルマ、高速のSAで休憩する人、ガソリンスタンドのスタッフまで口々に「タイプRだっ!」と驚く。ドライバーが乗っているのに平気で写真を撮るし覗き込む。

 横に並んだ警察車両の警察官にまでマジマジと眺められた。これほど注目を浴びたのは、登場したてのR35GT-Rに乗って以来だ。ここに価値を感じるなら間違いなく買いだ。

驚くほどではないがライバルに劣らぬ加速

 1番大事な走りはどうか。一般的に速いかどうかを感じやすい加速は「スポーツタイプの2リッターターボならこんなもの」。今ドキは狂ったように速い400psオーバーのクルマも多いので「マイッタ!」というほどではないが、2リッターターボのライバル車に劣ることはない。

 ちなみにCARトップ誌の筑波テストでは一部ウエット路で1分7秒402だ。ドライ路でアタックした4ドアシビックタイプRが1分8秒台だったことを考えれば、トータルで速くなっている。

 少し細かくみると、公道で乗った限り、エンジンは全域でトルクフルだしシフトやブレーキ、ステアリングのフィールなどに剛性感がありつつも重くなく、パワフルなFFにありがちなハンドリングへの悪癖もほとんどなかった。

 また、6速MTの各ギヤの繋がりもいい。とくに加速時のシフトアップはクロスしたギヤと操作性の良さにより、慣れた人なら途切れることのないシフトが楽しめる。無駄にギヤを変更したくなるほどだ。

 残念なのはヒール&トゥが、やややりづらいこと。ブレーキをガツッと踏んでいるときは問題ないが、アクセルペダルが奥まっているので、たとえばETCレーンに突入するときのように、ブレーキを弱く踏むシーンではアクセルが煽りにくい。

 そして2段メーターが見えづらい。体格とポジションによって違うが、ボクの場合はスピードメーターが見えなかった。

 で、走りから見て買いか? ライバルのメルセデスAMG A 45が713万円(税込)、フォルクスワーゲン ゴルフRのMTが539万円(税込)、三菱ランサーエボリューション ファイナルエディションが429.84万円(税込)なので、お買い得な気がする。このライバル勢はすべて4WDだけど。


石田貴臣 ISHIDA TAKAOMI

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