やっぱりというか凄い自動車業界再編劇になってきた
まだ、正式な発表ではないが、あの、コンパクトカー作り世界一のスズキがトヨタと提携交渉を進めていることが発覚した。一方でトヨタは、これまでグループ企業だったダイハツの株を追加買い取りにより、完全子会社にする。軽自動車市場で販売の日本一をめぐって熾烈なトップ争いをつづけている、ダイハツとスズキの両者を傘下にするトヨタの勢いは止まらない。
スズキは昨年、長引いたフォルクスワーゲンとの提携解消の裁判が決着した。VWの主張を退け株の買い戻しをして、晴れて自由な身になった。ところがスズキの持つインドを中心にした新興国マーケットへの強みと、軽自動車作りで培った軽量化技術、安価なコンパクトカー作りの仕組みと排ガス対策のしっかりした技術は、世界中の自動車メーカーが注目していた。
VWとの提携が決裂したスズキに対して、裁判の行方が決まる前からイタリアのフィアットグループ(FCA)が虎視眈々と狙っていたと言われる。フィアットのセルジオ・マルキオンネCEOは米国のクライスラーを買収した野心家だ。これまでもディーゼルエンジンをスズキに供給したりしてラブコールを送っていたことは有名だ。だが、トヨタとの提携話で、世界戦略の構図は大きく変わってくる。
軽自動車をめぐっては税制改革の動きもあり、
昨日はフォードが日本市場からの撤退を発表したばかり。アメリカで絶好調のスバルは、トヨタとの関係を切りたいといううわさもある。こうなれば、ホンダとスバルの提携もありうるか? 三菱とマツダは??
昨年のVW排ガス問題の今後を含め、「今年は世界の自動車メーカーの再編成が急速に進みそうだ。だが、クルマ好きユーザーや消費者の願いは、楽しい、高性能で安全なクルマを安価で提供してくれるクルマ作りだ。
スズキの鈴木修会長は、有名なカリスマ経営者だ。これまでの提携をみるとGMそしてVWと、スズキの規模よりずっと大きく、相手は世界のトップ企業。にもかかわらず常に対等な提携を交渉してきた。一方で「もっといいクルマを作ろうよ」をテーマに掲げる豊田章男社長。ふたりのこれからの手腕に期待したい。
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