【試乗】ロードスターに復活した「RS」は「いいとこ全部のせ」

素直なハンドリングに昇華したマツダ・ロードスターRS

 マツダ・ロードスターに、より走りの質感を高めたRSが加わった。ワンメイクレースのベース車となるNR-Aを除けば、Sからスペシャルパッケージ、レザーパッケージへと続くラインアップの最上級仕様が誕生したというわけだ。_DSC3043

 国内仕様に採用されている1.5リッター直4エンジンに変更はない。最高出力131ps/7000rpm、最大トルク150Nm/4800rpmである点も共通だ。ボディそのものも基本形を踏襲し、異なるのは装備関係である。スペシャルパッケージを基本に、レカロ製セミバケットシートを装備、ダンパーはビルシュタイン製、より大径のブレーキを装着、フロントのボディ剛性を高めるサスタワーバーを新設し、エンジンサウンドをより刺激的にするインダクションサウンドエンハンサーを組み込んでいるのだ。

 走り始めてまず感じるのはそのサウンドの違いである。マフラーの細工はしていない。よって耳に響くような爆音ではもちろんない。狙いは、軽快感。回転の上昇に比例して、あるいはパワーに相応しい抜けを演出したという。劇的な変化ではないものの、たしかに軽快感が増したように感じた。肝心のフットワークは、劇的に変化していた。もともとステアリングレスポンスは鋭く調教されているのだが、その鋭さに質感が加わったのがトピックス。スペシャルパッケージと比較してスプリングレートに違いはない。スタビライザーも共通だ。違うのはビルシュタイン製ダンパーだけ。大径ピストンならではの緻密な減衰力特性が生かされている。

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 切り込んだ初期、つまり低速域から減衰力が立ち上がることで、応答遅れが減り、素直な乗り味になった。絶対的なロール量は理論的にも違いはないはずだが、ロール感は減っている。過渡領域で抑えがきいているからだろう。コーナリング特性も、安定感が増している。アンダーステアに閉口するほどではもちろんないが、テールがムズムズする感覚がなくなり、大胆な攻めにも挑みやすくなった。_DSC2985

 レカロ製のセミバケットタイプにも、あきらかな違いがある。レカロが得意とする、背筋あたりを的確な圧力でホールドする感覚が強い。激しい横Gに対して頼もしいホールド感が感じられた。
そう、RSはロードスターの走りをより上質なレベルに惹き立てているのである。_DSC3019

 とはいえ、たとえばもっとも価格の低いSの魅力も捨てがたい。前後左右に荷重を入れ替えながらコーナーを攻め立てている感覚はSのほうが強い。どっちが優れているか否かではなく、ロードスターにまた一台、悩ましい選択肢が増えたのだということである。

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