注目のGT3ニューマシンが多数登場
そんなGT300クラスは今季話題も多い。まずGT3規定車両では、ヨーロッパ車を中心に多数のニューマシンが登場する。GT3カーは市販車のモデルチェンジ等に合わせて何年かに一度“代替わり”があるが、今年はアウディR8 LMS、BMW M6 GT3、メルセデス・ベンツAMG GT3、ポルシェ911 GT3Rといったドイツ車が一挙に登場する予定だ。
GT300クラスでも多くのチームが新規に購入を予定しており、メルセデスが4台、アウディが1台、BMWが2台、ポルシェは1台が予想されている(ポルシェについてはもう1台登場という噂も)。また、昨年実戦デビューを遂げたランボルギーニ・ウラカンGT3も日本に登場する予定。こちらはJLOCとディレクション・レーシングから2台ずつ、計4台が参戦するはずだ。
一方、GT3カーには国産車も存在する。2015年に素晴らしい速さをみせたニッサンGT-RニスモGT3、そして15年デビューのレクサスRC F GT3の2車種だ。GT-Rは昨年施されたアップデートが素晴らしい効果を発揮しており、16年はアップデートはないものの、まだまだ余力があると言われている。 GT3カーの場合、先述のように性能調整が施されるため、すべての結果は性能調整次第……という部分もあるのだが、そのスタイリングやサウンド、当然走りも要注目。メルセデスやBMW等、性格もかなり変わっている可能性も高く、ファンにとっては見逃せないシーズンと言えるだろう。
新型プリウスにライバル勢は戦々恐々!?
迎え撃つJAF-GT勢だが、15年限りでホンダCR-Zが参戦を休止したため、“純粋な”意味でのJAF-GT車両はスバルBRZと、トヨタ・プリウスという2車種となる。奇しくもこの2車は東京オートサロンで体制発表を行った。
BRZは昨年からダンロップタイヤを装着したが、シーズン開幕当初はマッチングがうまくいかず。尻上がりに調子を上げてきたが、今季はさらにタイヤサイズの変更にもトライ。ストレートが苦手なマシンだが、鈴鹿サーキット等の中速コースで今季こそ本領を発揮してくれるかもしれない。
一方、完全ブランニューのマシンをお披露目したのは、aprが走らせるトヨタ・プリウス。市販車のFMCに合わせZVW5#型の外観を採用。先代もそうだったが、大柄なプリウスのボディの下半分をナナメにカットしたような形状で、空力的にも非常に効率が高そう。さらに、このプリウスはこれまでは長年使用してきたシャシーだったが、こちらも全面改良。2台体制を敷くことにより開発スピードも高そうで、ライバルは戦々恐々のようだ。
昨年4台が参加したGT300マザーシャシー勢は、今年も継続して3〜4台が登場するだろう。昨年は初期トラブルが多発し、キラリと光る速さが見られたものの、SUGOでのVivaC 86 MCの優勝以外、目立った成績は残せなかった。今年求められるものは安定感だ。
世界と繋がるGT300
一方でドライバーの移籍という面では、動きはそれほどなさそう。GT500クラスの動向次第では変更もありそうだが、かなりのシートが埋まっているというのが現状の業界の見方。近年はGT300クラスもプロフェッショナル化が進んでおり、そのバトルの上手さは世界屈指とも言える。
ちなみに、2016年シーズンは12月にマレーシアのセパンサーキットで、世界中のGT3カーを使う強豪が集まる『セパン12時間レース』というレースが開催される予定で、ここにスーパーGTも協力し、GT300チームの参戦を促す施策がとられた。GT500クラスでは、DTMドイツツーリングカー選手権との協力が難航しているが、ひと足お先にハイレベルなGT300チームの世界への挑戦を楽しみにしたいところだ。
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