走行性能から使い勝手まで徹底テスト
最新スポーツモデルを日常域で楽しい走りと快適性を両立するのは、どのクルマなのだろうか?
これまでも1000kmのロングツーリングで、日欧注目のスポーツカーを検証してきた。今回のロングドライブの主役は、ホンダ・シビック・タイプR、マツダ・ロードスター、レクサスRC200t、VWゴルフGTI、アウディTTの5台を用意。これらのクルマ5台で、東京〜三重・伊賀〜東京というルートを駆け抜け、ロングドライブで見えてくる5車の真の実力をチェック!!
〈ホンダ・シビック・タイプR〉
直進安定性が高く、安心感が高い。それでいて微操舵に対してハンドルにドシッと手応えが返ってくるのがいい。どこからでも踏めば加速するトルクフルな2リッター直噴ターボの特性は、追い越し加速を含めてストレスフリーの移動を実現。吸排気音が気もちよく、単なる移動を非日常に感じさせる刺激になっていた。
〈レクサスRC200t〉
ボディを強靭にして4つの足まわりの効果を高めることに主眼を置いた味付けで、硬さはいっさいないのだが、不思議なほど路面への追従性がある。エンジンは直噴ターボと考えると加速力を含めて平均的だが、トランスミッションが賢い。キックダウンタイミングが的確かつスムースで、加速したいときにストレスなく速度を上げられた。
〈VWゴルフGTI〉
タイヤと足まわり、そしてボディのバランスがとてもいい。直進安定性、ハンドル操作への応答特性、路面で車体があおられたときの上下動の収まりのよさなどクルマの動きに加え、それらのドライバーへの感じさせ方まで上手い。加速はアクセルを踏んだ瞬間こそ少し反応が鈍いのだが、その鈍さがあるおかげであとの加速が鋭く力強く感じる。味付けのために実走行テストを積極的に行なわなければ到達できない世界を感じさせられた。
〈マツダ・ロードスターRS〉
唯一の幌型なので静粛性は不利。クルマの動き自体はとてもいいのだが、シートポジションが狭すぎる印象も……。NA1,5リッターエンジンは、追い越し加速時など、もう少しパワーがほしい場面もあった。しかし、前後重量配分は秀逸で、いいシャーシといえる。
〈アウディTT〉
乗り込んだ瞬間に非日常を感じさせるスポーティな室内空間演出はお見事。さらにはダイレクト感とスムースさ、そしてレスポンスを備える加速特性も好印象だ。しかし、クルマの動き自体に落ち着きが少ないのが予想に反するものだった。走行振動もあるし、車線変更などでもクイっと過分に動く特性も気になる。