「ワインディング編」
次は三重県にある青山高原周辺のワインディングで5台のスポーツ性とドライビングプレジャーを比較した。その印象がよかった順に紹介していこう。
No.1 ホンダ・シビック・タイプR 自由自在な走り
しなやかさを維持しながら優れたスポーツ性を実現している。ハンドルの操作量、操作スピード、その際のアクセルの踏み込み加減、どのような操作をしても的確にクルマが素直に動く。路面が荒れた山道でも、タイヤが吸い付くように追従。その加減速及び旋回は、脳と直結するような味付けで、ずっと走っていたくなるほど魅力的だ。
No.2 アウディTT コースとの相性で印象ががらりと変わる
ワインディングをスポーティに走るほどに、高速道路で感じた嫌な特性は消えていく。とくに強い加速や、ブレーキ操作をしているときは完全に消える。ドライブセレクト機構もあるし、電子制御ダンパーなので、もう少し味付けに幅がほしい。ツインクラッチは走行ペースが上がるとシフト変速やアクセル操作へのダイレクト感が増し、2リッターターボの実力を刺激的かつ気もちよく、余すことなく引き出している。
No.3 マツダ・ロードスターRS ハンドリングはgood! パワーがもっとあれば面白い
新たに加わったRSが採用するビルシュタインの足は見事。しなやかさを基調としながら、タイヤへの負荷が増したときや路面の変化によりクルマがフワッと浮きそうな場面では、減衰力をしっかり発揮。これは軽いクルマに重厚感をもたらす粘りのある動きであり、電子制御に頼らずこの乗り味を生み出してのがすごい。このレベルの足まわりになると、もう少しエンジンパワーがほしい気もちになってくる。とくに上り坂では寂しい気持ちに……。
No.4 ゴルフGTI シビックRとテイストは同じ!?
GTIがすごいのは、素直さや穏やかさを出しつつも、俊敏で鋭いクルマの動きを生み出せていること。じつはその動きはシビック・タイプRと同じテイストのもの。両車の違いはリヤサスの動きがタイプRの方がしなやかで、豊富な適応力をもっている点。この差は足まわりとタイヤとの相性による違いといえる。もしゴルフGTIがコンチネンタルのスポーツコンタクト6を履いたら、動きが変わる可能性が大きい。
No.5 RC200t グリップ感が弱く、もう少し刺激的でもいいのでは?
ドライブモードセレクトを使った際の変化量がもっとも大きく、ドライバーの気もちに合わせてクルマがフィットする。足まわりはとてもしなやかで、乗り味に優しさがある。街なかなどでの乗り心地や高級感は高いのだが、その反面でドライバーがほしいグリップ感などのフィーリングが薄いのが気になった。エンジン音も穏やかで、高回転まで回しても刺激が少ない。アクセル操作への反応ももう少しダイレクト感が欲しいところだ。