TOYOTA S-FRの正式リリースが“絵に描いた餅”ではないことを示唆する1台がTOYOTA S-FR Racing Conceptである。2015年の東京モーターショーではデザインとコンセプトとしての出展で、来場者からさまざまな意見を募るためのスタディモデルだったが、その中身は「市販できるじゃん!」というレベルに達していたことから、多くの人の物欲をビンビンに刺激していた。
S-FRは、全長3990×全幅1695×全高1320mmという5ナンバーサイズのコンパクトカーと同等サイズとしながら、ロングノーズショートデッキのいかにもFRらしいプロポーションを特徴としている。肥大化の一途をたどるスポーツカークラスのなかにあって、手足のように操れるファンなクルマを求める人にとってはまさにうってつけの選択肢。そんなS-FRが本格スポーツモデルである、ということを強く打ち出したのがTOYOTA S-FR Racing Conceptなのである。
そこにはベース車であるS-FRの愛嬌あるシンプルなスタイルは微塵もなく、個性を強烈に主張。スポーツカーの真価は走りにあり! たとえスペックが公表されていなくても、S-FRはあらゆるシーンでクルマ好きを納得させるパフォーマンスを発揮できる、と誇示しているかのようだ。TOYOTA S-FR Racing Conceptが示すS-FRの新たな世界。スポーツカーのさらなる人気回復を担うモデルとして、正式リリース、カスタマイズ&チューニングに期待が膨らむ。