2012年のデトロイトで出展されたコンセプトモデルLF-LCから4年…
ボディと一体化したスピンドルグリルやアグレッシブなデザインのエクステリアは、これまでのレクサスよりも攻めたデザインだ。ちなみにボディサイズは全長4760×全幅1920×全高1345mm、ホイールベースは2870mmと、LFA(全長4505×全幅1895×全高1220mm)よりも若干大きめのサイズである。一方、インテリアはメーター周りやコクピット感覚などはLFAのイメージを残しながらも、インパネ周りは最新レクサスと共通性を持たせたデザインを採用。ステアリングやペダルの配置、ドライビングポジションにもかなり拘っているそうだ。
注目の走りは、エンジンはRC F/GS Fにも搭載されるV8-5.0Lの2UR-GSE(475ps/530Nm)に新開発の10速ATを組みあわせだ。フロントミドシップのFRで低重心と基本にこだわったレイアウトを採用する新開発のFRプラットフォーム(=TNGAのFR版)を採用。車体はカーボンやアルミ、高張力鋼板を効果的に用いることで従来のFRプラットフォーム比で100kg近い軽量化を行ないながらも、ねじれ剛性や横力に対する剛性を大きく引き上げたそうだ。サスペンションも前後共に新開発のマルチリンクを採用している。
開発を担当した佐藤恒治チーフエンジニア(CE)は、「エモーショナルなブランドとして、通常の進化ではなく飛躍的に進化させる必要がありました。それがダイナミックなデザインであり、レクサスらしい乗り味の追求でした。走りの部分では基本性能を徹底的に磨き上げた上で『より鋭く/より優雅に』をキーワードに味付けを行なっています。どんな状態でも自分のコントロール下に置く事ができ、クルマが自然に動くことに注力しています。LC500はラグジュアリークーペですが、運動性能を兼ね備えているのが当たり前だと思っていますので。俊敏かつおおらかな走りを目指しています」。
佐藤CEにチーフテストドライバーを勤める豊田章男社長の評価はどうかと聞いてみると、「開発の随所で評価していただきましたが、かなり辛口でしたよ(笑)。重要視していたのは『ステアリングのリニアリティ』と『ライントレース性』でした。狙った所にステアリングを切ってビシッと決まり、気持ち良くクルマが自然に動いてくれる。その部分は開発陣との想いとシンクロしていましたよ」と語ってくれた。
発売は2017年。今後、更なる熟成のために“世界の道”で鍛えられる姿が見られるはずだ。
(写真:青山義明)