通常より高めのSUVらしい視認性とSUVらしい開放感でプラス評価
最低地上高にも余裕があり、SUVゆえに急なスロープや駐車枠の縁石などでバンパーなどを擦る心配をせずに走れるだけで、ストレスがなく心地よい。そのようなSUVの要素を備えながら、室内は適度に包まれる感覚のあるコクピット要素が強いのがいい。しかも、スマホの充電などでも使うUSBポートがふたつあるなど装備も充実。そして何より良かったのがメーター視認性のよさだ。
ここ近年、急激にクルマの多機能化が進み、それら情報をドライバーに伝えるメーターやインパネまわりは、デザインと大量情報を伝える調整に難航。全般的には、表示文字が小さくゴチャッとして情報が直感的に得づらくなっているが、このヴェゼルを始め、ホンダのインパネはわかりやすい。文字も大きく、昼夜を問わず見やすいのだ。
しかしエアコン操作に採用された最新タッチパネルは若干クセがある。まず、見た目はよく高級感がある。しかし、ブラインドタッチができないし、操作できたのか? 反応が音でしかわからないのが気になる。これは評価がわかれそうだ。
また走りはもっと明確。まずボディサイズがとてもよく、住宅街や狭い道も走りやすい。ボディのシッカリ感も高く、若干コツコツ感はあるが、街なかから高速道路、さらにはワインディングをスポーティに走る場面まで含めて、絶えず安定感を備えている。しかもハンドルの手応えも相応のシッカリ感を備えており安心。このような運動性能にかかわるシャーシ部は、かなり高いレベルの仕上りだ。
一方で判断がわかれそうなのが、ホンダの最新ハイブリッド。基本となる燃費性能や加速力は十分だ。しかも攻めのシステムともいえる、デュアルクラッチトランスミッションにモーターを内蔵させたハイブリッドなので、ダイレクト感やエンジンの吹き上がり感に優れる。しかし、停止時からのスタートを含めて、低速時の変速におけるショックやエンジンが動き出したときに若干ギクシャク感がある。これは早朝などの冷えた状態だと顕著。ちなみに、積極的にエンジンを使用するスポーツモードにするとこうした短所的な特性が弱まる。かり出し中の走行は多くをスポーツモードで走り、結果として気にせず過ごした。しかし、ハイブリッドモデルでスポーツモードを積極的に使うことに抵抗感があるひともいると思うので、ヴェゼルに興味をもったひとは一度その乗り味を確認するのが得策だろう。
画像はこちら 諸元表 |
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車名 | ヴェゼル |
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グレード | ハイブリッドX(2WD) |
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全長×全幅×全高 (mm) | 4295×1770×1605 |
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ホイールベース (mm) | 2610 |
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トレッド 前/後 (mm) | —/— |
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車両重量 (kg) | 1280 |
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パワーユニットタイプ | 直列4気筒DOHC+モーター |
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排気量 (cc) | 1496 |
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最高出力 (kW[ps]/rpm) | 97[132]/6600
モーター: 22[29.5]/1313-2000 |
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最大トルク (Nm[kg-m]/rpm) | 156[15.9]/4600
モーター: 160[16.3]/0-1313 |
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トランスミッション | 7速AT |
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サスペンション 前/後 | マクファーソン/車軸式 |
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ブレーキ 前/後 | ベンチレーテッドディスク/ディスク |
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タイヤサイズ 前/後 | 215/60R16/215/60R16 |
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JC08モード燃費 (km/L) | 26.0 |
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価格 (万円・税込) | 235.0 |
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