現代自動車の新型ハイブリッドはフィット形式のDCTとモーターの組み合わせ
偽装した路上テスト車がスクープされた段階で、「プリウスハンター」と異名をとっていた、ヒュンダイの新世代ハイブリッドカー『IONIQ』のメカニズムについて公式にアナウンスがはじまった。テールゲートにエクストラウインドウを持つ姿から空力へのこだわりが感じられるIONIQは、そのフォルムからもターゲットがトヨタ・プリウスであることは明確だが、ハイブリッドシステムの構成はトヨタとは異なるものだった。
エンジンは1.6リッターガソリン直噴で、新型プリウス同等の最大熱効率40%をアピール。最高出力は105PSと発表される。ハイブリッドシステムのキーとなるモーターはシングルタイプ。こちらの最高出力は43.5PSで、システムとしての最大出力はエンジンとモーターを単純に足した148.5PSになるという。トランスミッションにはDCTを用いている。
すなわち、プリウスのシリーズ・パラレルハイブリッドと呼ばれる2モーターシステムではなく、むしろホンダのi-DCDスポーツハイブリッドにも似たパラレルハイブリッドというわけだ。しかしながら、駆動モーターの出力を高めていることからEV走行領域が広いであろうことが予想できる。
駆動バッテリーにはリチウムイオン電池を使用。燃料だけで走るハイブリッドに加え、外部充電に対応したプラグインハイブリッドも用意される予定だ。
2014年に燃費偽装をしたことで米当局にヒュンダイ自動車が支払った制裁金は、過去最高となる1億ドル。和解相手は米環境保護局(EPA)とカリフォルニア州大気資源局(CARB)だったが、はたしてプリウスハンター「IONIQ」は、どれほどの燃費値を発表してくるのだろうか。新型プリウスの北米における高速燃費は50 MPGと発表されているだけに、非常に興味深い。
(文・山本晋也)
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