ワンオーナーの日産スカイラインGT-R(R32型)が出品
ここ数年、勢いを増すように高騰していくクラシックカー価格。毎年1月にアメリカのアリゾナ州で行われているのが「RMオークションズ(現:RMサザビーズ)」という世界的に有名な自動車オークション。この著名なオークションに、日産スカイラインGT-R(R32型)が出品されるという。
魅力的なコレクターズカーを数多く出展しているRMサザビーズは、2015年8月にアメリカのモントレー(カリフォルニア)で行われたオークションで1967年の前期型北米仕様トヨタ2000GT(左ハンドル)、1971年後期型マツダ・コスモスポーツ(日本仕様)、さらに日本でしか販売されなかった1973年型の通称ケンメリ型(KPGC110)の日産スカイラインH/T2000GT-Rの3台が出品されていた。
その結果、トヨタ2000GTは9777万3637円(1月6日時点の為替換算:1ドル118.5円)で落札され、マツダ・コスモスポーツは1433万9105円(同為替換算)、日産スカイラインH/T2000GT-Rが2085万1512円 (同為替換算)といずれも超高額な価格で取引されている。
近年、日本でも価格高騰をしているのが、第二世代GT-Rと言われている「日産スカイラインGT-R(R32型)」だ。日本の中古車市場でも90〜500万円という価格帯で推移しており、こちらも年を追うごとに価格が高騰している。さらに価格高騰の要因となっているのが、1989年に登場したR32型GT-Rの製造から25年以上経過しているため、クルマ排ガス検査なしでアメリカに輸入できるという「クラシックカー登録制度」の影響がある(通称、25年ルール)。
今回「RMサザビース」に出展されているR32は、東京で所有をしていたワンオーナーカーだ。走行距離は、わずか1万4000キロほどでエンジンや外装など、どこにも手を加えていない新車に近い状態が保たれている。さらにディーラー販売店のパーツパンフレットや、純正スペアキー、取扱説明書、サービスブックが付属されているという。
アメリカでの市場価格は6万キロ以上走行したR32が2~3万ドル(約250~375万円)ほどなので、今回の1万4000Kmという低走行距離車で、どの程度の評価を得るのか非常に興味深い。しかし、落札価格次第で国内のGT-Rの相場が急騰の可能性もある。例え、落札価格が安くても国内相場下落は考えにくいともいえる。
嘆かわしいのは、先述の日本のクラシックカーだけでなく日本で育った名車たちが、取引価格が高いという理由で海外に流出してしまうという事態を避けたいと思うのは、WEB CARTOPだけだろうか。
Photo by RMサザビース
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